特定非営利活動法人 価値創造プラットフォーム 代表理事 石崎 方規

公開日:2020年10月15日

地方創生に向けシェアリングエコノミーを広める

地方自治体にシェアリングエコノミー導入を働きかけるコンサルタント業務を手がける。インターネットを活用し、場所や時間にとらわれない働き方を提供する場として「ローカルシェアリングセンター(LSC)」を地元・佐賀県の多久市、基山町のほか、岐阜県関市や新潟県糸魚川市などに設置・運営。子育てや介護などの事情から外で働けない主婦など70人規模のテレワーカーを抱えてクラウドソーシング事業を展開している。
地方はテレワークへの理解が低い
育児や介護で退職を余儀なくされた人は多い。このため1日8時間のフルタイムで働くことは無理だが、子供が保育園に行っている間、保育園に入れず待機している子供が寝ている間に働きたいといった人が在宅で働く仕組みがあることを伝えている。新型コロナウイルスの感染予防対策としてテレワークを導入する企業が増えているが、地方は自宅から会社に勤めに行くという考えが強く、テレワークの有効性などを理解できていない。自治体もシェアリングエコノミーへの認知度は低い。
企業誘致しなくても働く人が増えるテレワーク
地域創生に向け企業誘致に意欲的に取り組む自治体は少なくないが、うまくいっていないのが実情だ。しかし、企業誘致を行わなくてもテレワークを導入すれば地元で働く人が増え、経済も活性化する。仕事を求める人と仕事を出したい人をマッチングさせる仕組みは双方にメリットを与えられる。自治体はシェアリングエコノミーの存在を企業、住民に知らせるべきだ。このため、われわれは自治体に自宅で働く仕組みについてセミナー開催やコンサルティングなどで伝えている。20年度第2次補正予算で自治体への臨時交付金が増額されたことも自治体のセミナー参加を促すことにつながっており、地方でのテレワークに追い風だ。
16年に佐賀県多久市でスタート
テレワークを利用したい人にテレビ電話などを通じて研修を行い、その後のテストに合格すれば仕事を回すというのが、われわれが提供している仕組みだ。ただし強制はしない。「やりたい」と手を挙げてもらう。合格者の70%が登録し、当法人の準社員として仕事に取り組んでいる。
2016年に多久市でLSCを開始し、他地域にも広がった。多久市では首都圏企業などから受注したインターネット記事の作成や文章の校正などの仕事を当団体登録者にシェアして自宅などで家事や子育ての合間を縫って取り組んでもらう。
地方は、ホームページ(HP)を持たず電話で連絡を取ったり、情報交換したりしている企業・店舗が多い。このためHPの作成・管理を依頼するケースが少なくない。店主はパソコンをのぞく時間を持てないからで、受発注業務を受託している。
保育所併設でママも安心して働く
LSCに続き、子育てママの働く場として保育所併設オフィスを開設する。第1弾として香川県庁舎(高松市)の空きスペースを活用し「peekaboo(ピーカブー)香川」をオープン、2021年4月をメドに保育園を併設する。オフィスで働くママは託児料無料で利用できる。在宅では仕事が難しい子育てママが子供と一緒に県庁に来て、子供を保育所に預けて安心して働ける環境を整える。まずはしっかりと運営して第2、第3のpeekabooを展開していく。
快適には働く環境整備の一環として在宅ワーカーに次亜塩素酸水の配布を始めた。消毒剤が手に入らないという働くママの声に応えるためで、事務所に次亜塩素酸水の生成装置と充填機を4月に設置、5月から配り始めた。
シェアリングエコノミーが普段使いに
新型コロナウイルスの感染拡大で働き方が変わり、テレワーク導入を始めた企業は少なくない。通勤による感染リスクから社員を守るためだ。またシェアオフィスを手がける米ウィワーク、米配車サービスのウーバー・テクノロジーも外出自粛・テレワークで利用が減り、大きな損失を抱えるようになった。一方でコロナ禍を機にジェアリングエコノミーは伸びている。
フリマアプリのメルカリが大きく顧客を増やし、今や「普段使い」として定着しているように、シェアリングエコノミーも普段使いの時代が訪れるであろうし、この状態の世の中にしたい。現状では目指す世界に対し2合目に登ったにすぎない。全国の商工会議所や青年会議所などにアプローチし啓蒙活動に取り組んでいく。
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