株式会社ISAO 代表取締役 中村圭志氏

公開日:2018年10月18日

「オープン&フラット」な組織作りを進め、世界の「シゴト」を楽しくする

事業内容を教えてください。
当社がもともと手がけてきたのはインターネットサービスを支える機能の提供で、その中には、オンライン決済システムやCMS(コンテンツマネジメントシステム)の構築、Webサイト構築 、スマートフォン向けのアプリケーション開発などがあります。システムを一から作り上げるスクラッチ開発も行っています。
当社は1999年、インターネット接続に初めて対応したセガのゲーム機「ドリームキャスト」向けにインターネットサービスを提供する会社として設立されました。当時からゲーム業界との関わりが強く、先のオンライン決済システムもゲーム業界に提供しているケースが多いですね。約10年前から顧客先がゲーム業界以外にも広がり、成長を続けてきました。
ここ数年は当社が定めた「VISION2020」に基づき「世界のシゴトをたのしくする」という中長期ビジョンを掲げ、活動を行っています。これまで当社は、インターネットサービスを運営する企業に機能を提供する黒子の役割に徹してきましたが、直近では自分たちでサービスを企画・開発し運営していくことに注力。まさに、私たちが世に送り出すサービスが「世界のシゴトをたのしくする」ことを目標にしています。
自社サービスにはどんなものがありますか?
たとえば社内コミュニケーションサービスがあります。ゴール達成のための、最強にオープンな社内SNSサービスという意味で「Goalous(ゴーラス)」と名付けました。
ゴール(目標)とは、従業員たちが到達を目指す、経営ビジョンが反映された具体的な指標。「Goalous」を使えば使うほど、ゴールを達成するための活動が増え、組織が前へ前へと進んでいきます。
たとえば商談やドキュメント作成、プレゼンといった、ゴールに向かう日々のアクションの写真や動画を社内SNSでシェアしたり、特定の仲間と会話を行うことによって情報量が増加します。情報量が十分であれば、目標達成のために、より的確な判断が可能になります。
また、チームでミッションを達成するうえで最も大切なのは、お互いにわかり合うこと。「Goalous」によるコミュニケーションを通じて、お互いの活動を認め合い、助け合うことで、より成果に近づくことができます。
当社でも「Goalous」を日常的に使っていますが、単なる業務報告を行うのではなく、あるプロジェクトが参加しているWeb入札の模様を実況中継し、落札をみんなで喜ぶという使われ方がありました。このように、SNSで社内を盛り上げ、仕事が楽しくなるような雰囲気作りが可能です。
プライベートではSNSで写真や動画をシェアするのはごく普通のことですが、こうしたテクノロジーが、働く場にはまだ十分に活かされていないので、この部分を私たちが担っていきたいと考えています。
もう1つ、「Mamoru(マモル)」シリーズがあります。Mamoruシリーズには、パスワードに頼らない、強固で便利なスマートフォン向けの認証サービス「Mamoru PUSH」(特許取得済み、Android、iOSに対応)も提供しています。ログイン時に、桁数が長い2種類のトークン(特定時間内に1度しか使えないモノ)を生成し照合する「2要素認証」を行うのが大きな特徴。サービスにログインする際、スマートフォンに送られてくるプッシュ通知をタップするだけで認証が可能となります。そのほか、「Mamoru Pay」などのアプリを揃えています。「Mamoru Pay」では、社内で販売している飲料や「オフィスグリコ」などの商品をキャッシュレスで購入したり、自由に座席を選んで仕事ができるフリーアドレスのオフィスで座席と勤怠を一括管理するなど、社内のさまざまな支払や管理をスマートフォンで解決できます。
「管理職0(ゼロ)、階層0(ゼロ)、チーム力∞(無限大)」の「バリフラットモデル」を策定・導入したのはなぜですか?
「バリフラットモデル」とは、階層と役職と部署、情報格差がないオープン&フラットな仕組み。新入社員も私も同じ情報を知っていて、役職も上司部下の関係もない組織です。2011年から徐々に組織をフラット化し、2015年に役職と階層、部署を完全に廃止しました。
チームの力を最大化し、仕事を楽しくすることが「バリフラット」導入の目的。組織をフラット化することで、階層型組織特有の複雑な承認プロセスをなくし、現場への権限委譲を徹底することができます。その結果、仕事が速く進むようになり、社員1人ひとりの当事者意識も高まり、自律的に働く意識が芽生えます。
とはいえ、社員1人ひとりが現場で判断して仕事を進めていくうえで、間違いはできる限り避けなければいけません。間違いを防ぐために必要なものは情報で、オープン化によって社員に情報が行きわたるようにすることは、社員1人ひとりの力を高めるうえで大きな意味があります。いわば、オープン化によって社員にパワーを与え、フラット化によって仕事のスピードを上げていくことが「バリフラット」の神髄なのです。
「ISAOスピリッツ」とは何ですか?
全社員が共有する価値観のことで、「オープンにつながる」「自分の仕事を愛し誇る」「見えないものを見る」「新しきに挑み拓く」「家族的キズナ」の5つあります。
中でも重視しているのが「オープンにつながる」「新しきに挑み拓く」「家族的キズナ」の3つ。日常的には「オープン、チャレンジ、キズナを大切にしよう」と社内で話しています。
とくに組織のフラット化を進めると、個人がバラバラになりがちなので絆を大事にしており、隣の人が困っていたら助けるとか、自分が参画することでより良くなる部分があれば積極的に関わる、といったことを自発的に考えて行動することを推奨しています。
また、社員一人ひとりにとっては成長が大きなキーワード。ISAOには、昨日と同じ今日、今日と同じ明日はありません。どんな仕事をしていても、毎日進化していくことが求められ、進化するために、もがき続けていくのがISAOのカルチャーです。
上下関係のない「バリフラット」の下では、上司が部下の行動を逐一管理することはありませんが、皆がフラットな立場で自分を見ており、自らも絶えず自分の考え方や目標に加え、実際にどんな行動をしているかを発信していかなければいけません。「バリフラット」と言うと、一見ゆるい組織に思われがちですが、対人関係のストレスは少ないものの、自分が成長しなければ置いて行かれるという意味で、ストレスが大きいという厳しさがあります。
今後の展望について聞かせて下さい。
自分たちが作り上げたサービスで、世界にインパクトを与えていくことを目標にしています。
現在、取り組んでいることの1つは、ビジネスのグローバル化を進めること。サービス自体はグローバル仕様になっているので、それをビジネスベースで実際にどう広げていくかということに注力しています。外国人のチームメンバーも増えてきているので、グローバルチームで世界にインパクトを与えるビジネスを構築することを目指しています。
「Mamoru」は今のところ日本中心ですが、「Goalous」は国内でサービスを提供しながら世界に向けて展開していく計画で、すでに海外向けのプロモーションを開始しています。
私たちは、仕事を面白くするアイデアを数多く持っています。出社時の勤怠管理が面白くなるとか、現在リモートで行っている社内のブレインストーミングが楽しくなるようなサービスなど、職場の「つまらない」をなくし、やり甲斐を高めることに役立つサービスの開発に、積極的に取り組んでいきたいですね。
インタビュー:ジャーナリスト 加賀谷貢樹

1993年3月、千葉大学工学部卒業。
同年4月に豊田通商株式会社に入社。
2004年3月、Toyota Tsusho Europe S.A. ドイツ・デュッセルドルフ支店へ出向。
2006年4月、Toyota Tsusho ID Systems GmbHを設立し代表に就任。
2010年10月、株式会社ISAO代表取締役に就任し、現在に至る。

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