株式会社キズナキャスト 代表取締役 小林広治氏

公開日:2019年1月29日

「組織とひと」をRe:Designし、いきいき!わくわく!働ける未来を創る

「KIZUNA維新元年」を掲げる
「2018年は明治維新150周年でした。まさに今、明治維新さながらの大転換期にさしかかっています。この時代に何をすべきなのでしょうか。そこで掲げたのが『共育』です。情報化時代が終わり、人工知能(AI)化が進展することで、これまでのピラミッド型社会システムは崩壊し、フラット型の社会システム化(民主化)が進みます。つまり『指示命令型競争組織』から『自立型共創社会』に変わります。この変革に対応するには『組織とひと』を時代に合わせて、再設計(Re:Design)』する必要があり、求められるのが共育なのです」
26歳で起業、中学生時代の夢かなう
「起業は00年4月。26歳のときで、法人向けITサービス事業を手がける『テクノエイド』を立ち上げました。07年に社名を『キズナキャスト』に変更し、デジタルサイネージ事業に乗り出しました。同年9月には西武池袋駅(東京都豊島区)の構内でサイネージメディア『KIZUNACAST』 を開始。サイネージの先駆けでしたが、08年にリーマン・ショックに襲われ、従業員を全員リストラし1人でやり直さざるを得ない事態に陥りました。そこでコンサルティング事業への転換を決意、5年計画で地道に学び直すことにしました」
共育のきっかけは詐欺事件
「13年にコンサル事業を開始しましたが14年秋、それまで取引があった人材派遣会社から、ある大手企業の案件が決まったという朗報を受けました。かなりの大型案件で、その運転資金として必要な調達の相談を受け、快く協力しました。ところが契約書は偽造で、契約そのものが全くの架空案件であることを後で知りました。コンサルとして安定した矢先にやられてしまったわけです。これにより会社と私自身の資産だけでなく、大事な友人、私の妻の個人的資産も大きく損なってしまいました。しかし、なぜか私自身は明鏡止水の心境で、ネガティブな感覚はありませんでした。逆に更なる成長につながる感覚があり、静かに考えるいい機会となりました。『私の人生でなすべきことは何か』。ある日、フロに入っているとふと考えが浮かびました。教育に以前から興味を持っていましたが、それまでは『いつか教育事業を始めよう』という考えにすぎませんでした。それが『今こそ、その時ではないのか?』『今すぐやろう!』に変わったのです」
教え導くのではなく共に成長するのが共育
「このとき過去の経験が全てつながり、1本の光の線が見えました。探していたものが分かったのです。それが共育だったのです。残りの生涯をかける事業と位置づけ、3年半かけて準備し、18年に入って始動しました。ピラミッド型社会システムは壊れてフラットになる。指示命令型では人が全く動かない時代に入ります。そこで教え導く教育(TEACH)ではなく、一人一人が自立し『共に成長していきましょう』という共育が求められると考えたのです。トップダウンによるピラミッド型の仕組みである大量生産時代は、少しでも早く、言われた通り正確に、そして大量に生産することが求められます。「人」は、いわば機械でありロボットの代わりでした。しかし、これからの時代は創造的であることが重要視され、「人」を人として捉える時代になります。この自立型共創社会では、それまでの依存的な価値観ではなく、自分自身の頭で考えることが大事になってきます。自立した人を組織で押さえ込むことはできません。今の大変化の時代、そして来るべきフラットな社会システムにおいて、状況判断と意志決定をトップ一人で行うのは無理な時代なのです。そして、人はクリエイティビティーを高める必要に迫られます。まさにクリエイティブ社会への対応であり、チームで創造する共創の時代なのです」
人は変わることができる
「そのためにはバックキャスティングアプローチが求められます。それは、自分の理想的な未来を創る、という意思であり、常に大事なのは目標を持ち続けることです。目標を持つことは、子供の特権ではありません。大人は目標を失っているのではなく、迷走しているだけです。人生をさかのぼって20代は?学生時代は?小学生のときは?を思い出すことです。自分年表をつくることで自分が本当に好きなこと、興味のあることを思い出すことができます。そこから、「将来はどうしたい」「どうなりたい」と考え、自らの喜びを追求すると、自分にとっての理想的な未来が見えてきます。目標を明確化する際に、『夢』と『志』の違いを意識して考えましょう。『夢』は自分ごとの目標設定ですが、『志』は世のため人のためという要素を取り入れた目標設定になります。近江商人が江戸時代に大切にした(売り手、買い手、世間の)『三方良し』の世界です。この『三方良し』がビジネスの原理原則であり、これを踏み外したときに企業の持続的成長はないと考えています。ですから『志』の目標を立てて、それを目指すことです。自分の目標設定を『夢』から『志』に変えることで、その先にある未来が変わります。高いモチベーションを維持でき、また他人からも共感と応援を得やすくなるため、より実現性が高まります。私が立てた『志』は3歳からシニアまで一気通貫で教育システムを作ること。生きるための学びを一生涯サポートすることです」
事業は3本柱
「コンサルティング事業、マーケティング事業に加え、18年に共育事業を立ち上げました。共育事業では研修会やセミナーを開催。BtoBが得意なので企業研修が多くなります。課題を抱える30人〜1000人規模の企業に伝えてきたい。伸び悩んだり、採用に苦しんだり、生産性向上に取り組みたい企業が対象になります。あくまでも、私たちの「共育」の目的は、組織を革新させ、生産性と業績を革新的に向上させることです。したがって、研修やセミナーを行うこと自体が目的ではないので、その点は他の研修会社などとは明確に差別化を図ります。20年4月に一つのマイルストンとして20周年を迎えます。今は酒を断っていますが、20周年には盛大に祝いたいものです。目黒雅叙園(東京都目黒区)に友人がいるので、そこで500人規模のパーティーを開きたいと思っています。そのときまでに共育事業部の顧客数を10社(社員数1000人規模)に拡充するのが目先の目標です。」
会社組織よりチーム
「メンバーは現在15人。『いきいき!わくわく!働ける未来へ』というビジョン、『“組織とひと”のRe:Design ~働き方と生産性を革新する~ 』というミッションに賛同して参加している仲間たちです。雇用形態を取ると、どうしても依存的な意識が働き、ピラミッド型組織になってしまうと考えました。当社は、自立型共創組織を掲げていますから、敢えて各メンバーとは業務委託契約を結び、お互い社長、という意識で、フラットな関係性を築いています。また、メンバーは主婦の方も多く、全員在宅勤務をしてもらっています。事務所経費を浮かし、その分メンバーで食事や旅行などに割り当てます。当然、兼業・副業もOKです。お互いにフラットな関係でビジョン実現に向けて歩んでいます。」

小林広治
1996年3月 早稲田大学理工学部卒。
1999年7月創業、2000年4月に法人化し代表取締役に就任、現職。長野県出身。46歳。

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