■メッセージ付きで交流ツールに
「ありがとうBOX」を手にする西川会長(右)ら=東京都渋谷区
企業によるブランド戦略の支援を行うエスプライド(東京都渋谷区)は、おやつの宅配サービス事業「はい!おやつClub」を開始した。同社は全国各地に点在する約200の菓子メーカーと提携しており、その中から厳選したおやつを詰め合わせて毎月15日に届ける仕組み。初年度は2万ケースの販売を計画している。
届けるのは「ありがとうBOX」。8~10人分の菓子で構成されており、1ケース当たりの価格は5000円。これに消費税と送料が加わる。各月ごとにストーリーを展開し、例えば1月であれば、おせち料理を想起させるようなおやつをそろえる。
お菓子は「古奈屋のクリーミーカレーうどん匠揚げ」や「丹波黒豆パイ」「あんこうチップス」「牡蠣まるごとせんべい」「なまはげまんじゅう」など、知る人ぞ知るといった名産品を用意。「マーケットの縮小によって、地方の菓子メーカーは収益を出しにくい状態にある」(エスプライドの西川世一(せいいち)会長)点を考慮し、事業を軌道に乗せることで、提携先の経営支援につなげる。
また、感謝の気持ちを書き込めるメッセージカード「スマイルカード」を、1ケースにつき10枚同封。なかなか伝えることができない「ありがとう」のメッセージを、おやつと一緒に渡すことで社内のコミュニケーションの活性化を図る。
エスプライドでは宅配サービス事業を本格展開するのに先立ち、昨年から試験運用に着手。大手の外食チェーンやIT(情報技術)関連など85社が利用した。活用法は通常のおやつや、社員表彰用の景品などいろいろ。地方に特化した珍しい菓子ばかりなので社員同士の会話も弾むといい、西川会長は「コミュニケーションツールとして、お菓子の可能性は無限に広がる」と指摘している。
同社はお菓子のパッケージの企画・制作デザインをはじめとして、パッケージの見せ方ひとつで集客増を実現するなど、企業のトータルブランディングを手がけている。また、店舗の運営にも携わっている。例えば福岡ソフトバンクホークスの本拠地「ヤフードーム」の売り場の一角を任され、大幅な売り上げ増に結びつけるなどの実績を残してきた。
2012年には、おやつ文化の啓蒙(けいもう)を図り中小菓子メーカーの知名度向上と地域活性化を目指し、一般社団法人の「日本おやつ協会」を設立している。(伊藤俊祐)
【会社概要】エスプライド
▽本社=東京都渋谷区千駄ケ谷3-17-11
▽設立=2005年4月
▽資本金=5100万円
▽事業内容=商品、店舗のプロデュース
「フジサンケイビジネスアイ」