ヤマテック株式会社代表取締役社長、村田範浩氏(前列左から2人目)と株式会社タキザワ漢方廠取締役副社長、瀧沢努氏(後列左から4人目)
公益財団法人さいたま市産業創造財団は11月10日(日)に「さいたま市ニュービジネス大賞」(http://www.sozo-saitama.or.jp/snb/)受賞者表彰式・発表会を、さいたまスーパーアリーナにて行われた「コラボさいたま2013 さいたま市商工見本市」会場内で開催した。
「さいたま市ニュービジネス大賞」は同財団が主催するビジネスプランコンテストで、さいたま市を元気にするニュービジネスを発掘する目的で2005年度から毎年実施されている。全国から寄せられた応募の中から、各部門賞を選出し、その中で最も優秀なビジネスプランを「さいたま市ニュービジネス大賞」として表彰する。大賞を受賞したビジネスプランは金融機関、支援機関及び事業会社とのマッチングのほか、専門家派遣などを通して軌道にのるまで徹底支援を受けられる。今回は全国から寄せられた125件の応募の中から、1次書類審査、2次面接審査、3次プレゼンテーション審査を通過した8プランが各部門賞を受賞した。
グランプリの「さいたま市ニュービジネス大賞」に輝いたのは、「中小企業連携による画期的な工場排水処理装置の製造・販売」について発表したヤマテック。同社の村田範浩社長は、各分野で高い専門性と固有技術を持つ中小企業3社がお互いの強みを持ち寄ることで、中間加工や部品製造の下請けから装置メーカーになることを目指す新しい企業連携ビジネスを提案した。3社間連携の中心となる同社は、排水設備に使用する撹拌体の設計や自社が得意とする塗装設備関連の取引先を通じた販売ルートの開拓を担当する。そのほかの2社は独自の強みを生かし、遠心撹拌体の設計・開発や設備制御、メンテナンスソフトの設計・開発などを担当していく。「排水処理設備の騒音、臭気、電気代などに悩む中小企業に新たな排水処理技術を提供することで『中小企業のための中小企業連携』を実現したい」と村田氏は話す。
また「コラボさいたま」来場者による人気投票で、最も多い票を得たプランに贈られる「コラボさいたま賞」には、会社設立から47年間、漢方煎茶作りを続けている製薬会社のタキザワ漢方廠が選ばれた。同社の瀧沢努副社長は、高齢化が進むにつれ増加していくことが想定される「健康相談難民」を救うことができるのは、個人の街の薬局・薬店だと考え、接客スタイルを確立したモデルの薬店を構築し、新しい未来型健康ステーション「街の健康相談室」を普及させるビジネスプランを提案。同施設を普及させることで、漢方薬局・薬店の活性化を図ると同時に、人と人とのつながり・絆を取り戻したいと考えている。
「フジサンケイビジネスアイ」