■管理ソフト「CROSS POINT」販売
顧客はスマホ上で登録が行える
システムソリューションプロバイダーのアイルは、インターネットショップと実際の店舗で発行されるポイント・顧客情報を一元管理できるソフト「CROSS POINT(クロスポイント)」を開発、販売を開始した。「ネットとリアルという両方のルートを通じて購入する事例が増加。店舗側はおのおのの顧客データを取得しているのに、管理が統一されていないため、機会損失につながっている」(山本浩孝取締役)点を踏まえて実用化した。ファッションやアパレル関連の企業を中心に営業攻勢をかけ、初年度100社への導入を目指す。
ユーザーの間では、ネットで商品をチェックした後に実際の店舗を訪れ、サイズや着心地を確認し最終的にはネット経由で購入するなど、購入方法の多様化が進んでいる。
こうした動きに対応し、より効率的なサービスを提供するには管理の一元化が重要な役割を果たす。しかし、投資額はひとつの企業で数千万円~億単位にも達するため、アイルがメーンターゲットとする業界の顧客の間では、大手を除き、ほとんど行われていないのが実態だ。
アイルが開発したのは、クラウド型のASPサービスとすることによって低コストでの利用を実現した点が特徴。具体的には基本料金が月額3万円で、1店舗当たりの月額利用料金は3000円と設定した。例えばネットショップ1店舗、実店舗が2カ所の場合、月間の利用料金は3万9000円となる。
新サービスを適用すれば、ネットショップで付与されたポイントを実店舗での購入時に使うことが可能。その逆も行えるようになるため、顧客の利便性の向上につながる。企業側も、ネットショップと実店舗の購買履歴を把握できるため、双方向での最適な販促活動に結びつけることができる。
また、POS(販売時点情報管理)やEC(電子商取引)、メール配信といった各システムとの連携も進む。これまでは、メール配信を活用した販売促進策も個別に実施されていたが、より効果的な販売促進が可能となる。
基本情報の管理以外にも会員ランクの設定や、購入金額・購入頻度などに応じたセグメント管理にも対応できる。また、顧客はスマートフォン(高機能携帯電話)や携帯電話をポイントカード代わりに活用でき、マイページで自分のポイントも確認できるようになる。(伊藤俊祐)
「フジサンケイビジネスアイ」