AR技術を活用して「三春滝桜」を背景にスマホで撮影する際の画面イメージ
現地に行かなくても美しい自然風景をバックにスマートフォン(高機能携帯電話)で記念撮影ができる。こんなサービスの提案を日比谷花壇(東京都港区)が8日に開始する。
現実に知覚できる情報にコンピューターが作り出した情報を重ね合わせるAR(拡張現実)技術を活用し、商業施設や駅などの特設コーナーで、日本三大桜の一つ「三春滝桜」(福島県三春町)を背景に写真撮影ができる仕組みだ。
具体的には、同社がスマホ用に提供するアプリ(応用ソフト)の「ポップアップカメラ」を使って、特設コーナーで撮影すると、スマホがARシステムに反応して人物の背景に本物と同じ三春滝桜が写る。
カメラレンズの角度によっては夜桜に変化する仕掛けもある。また同社ウェブサイトで、三春滝桜や福島県への震災復興応援メッセージとともに撮影写真の投稿を募る。
ARシステムを組み込んだ特設コーナーは、今後、同社が商業・観光施設や駅、ホテルなど人でにぎわう場所に設置を提案していく。
三春滝桜は樹齢1000年以上といわれ、1922(大正11)年に国の天然記念物に指定された。東日本大震災でほとんど被害がなく、春には見事な桜を開花させて地元福島の人々を勇気づけていることで知られる。同社は、この桜の保存費用とするため、ウェブサイトへの投稿1回につき10円を三春町役場に寄付していく計画だ。
「フジサンケイビジネスアイ」