「キデイランド原宿店」の新店舗のイメージ
キャラクター商品などを販売するキデイランド(東京都台東区)が、新たな一歩を踏み出す。旗艦店に位置づける原宿店(渋谷区)がリニューアルし、7月1日に営業を開始。約4万点にのぼる豊富な品ぞろえに加え、同店の限定商品などの魅力もアピールし、国内外から年間300万人以上の来店を目指す。
原宿店は1950年の営業開始以来、原宿・表参道エリアのランドマークの一つとして親しまれてきたものの、老朽化したことから2010年夏に営業を休止し、建て替え工事を進めていた。
新店舗のフロア構成は地下1階から4階で、売り場面積は約1000平方メートル。出入り口をバリアーフリー化し、トイレの数を旧店舗より増やすなど利便性を高めた。店内を案内する「コンシェルジュ」を各フロアに配置し、プロジェクターを使って人気キャラクターの映像を店内に映すといった演出も凝らす。
地下1階の専門店「スヌーピータウンショップ原宿店」では、スヌーピーなどをテーマにした商品を販売。1階には最新の流行を取り入れた雑貨やアクセサリーをそろえる。2階は「大人カワイイ・マーケット」をコンセプトに、ミッキーマウスをはじめとするディズニーのコーナーを設け、ミッフィーなどのキャラクター商品も展開する。4階には専門店の「リラックマストア」と「ハローキティショップ」の原宿店が入る。
同社では改装後の既存店について、通常は売り上げ目標を従来の約15%増に設定するが、原宿店は旗艦店の大幅リニューアルだけに「売り場面積当たり約20%増を目指す」(幹部)と意欲的だ。
同社の店舗は外国人の人気スポットだけに、原宿店にも英語や中国語、韓国語を話せる従業員を配置する。ただ、売上高全体の3分の1程度を外国人観光客が占めていることもあり、リスク対策上からも現状の比率を維持し、「外国人に依存しすぎない」(幹部)方針をとる。
直営とフランチャイズを合わせた同社の店舗数は、3月末時点で73店。「ミッフィースタイル」と「ハローキティショップ」の各東京駅店を3月中旬に開店したのに続き、5月下旬には墨田区に「リラックマストア 東京スカイツリータウン・ソラマチ店」をオープンさせるなど、キャラクター専門店を積極的に展開。2010年度に121億円だった売上高を、数年以内をめどに150億円に引き上げることを目指している。(村山雅弥)
「フジサンケイビジネスアイ」