イーコミュニケーションのオンラインテレビ電話による言語学習のレッスン風景
■オンライン語学学習のイーコミュニケーション
テレビ電話方式のオンライン語学学習サービスを展開するイーコミュニケーション(東京都新宿区、成田勝行社長)は、対象言語を従来の10言語から倍増させ、20言語のレッスンの提供を始めた。言語数は業界で最多という。英語以外の言語を学びたいというニーズが高まっていることに対応すると同時に、企業の語学研修にも対応し、法人顧客の開拓を本格化させる。
対象言語は従来が英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ブラジル・ポルトガル語、ロシア語、中国語、韓国語、タガログ語の10言語。新たにアラビア語、ヒンディー語、ベトナム語、タイ語、マレー・インドネシア語、オランダ語、ルーマニア語、ポーランド語、日本語を追加した。
同社は2005年から無料通話ソフトの「スカイプ」を利用したオンライン英会話学習サービスを開始。対象言語を増やしてきた。レッスンを受けるためのチケットは、すべての言語で共通利用できる。1時間当たりの料金は3900円。24時間対応の専用のオンライン言語学習管理システム上で、言語と講師を選び、講師のスケジュールを確認して予約を入れる仕組み。
講師は現在、国内外在住の45人。ネット上で応募し、面接もネットで行うが、講師とビジネスの経験を条件とするなど厳選し採用率は0.5%という。さらにネット上で研修も行っている。
多言語サービスの提供は、利用者から「英語プラス1」の言語を学習したいとの声が多く寄せられたことが背景にある。実際、同社の利用者で英語以外の言語を学んでいる会員は、10年が全体の9.4%だったが、11年は13.5%、現在は22.9%にまで増えている。
さらに企業のグロバール化の加速で、英語以外の言語の社員研修を行いたいという企業が増えているが、英語以外の言語学習を提供しているところは少なく、「ニッチな市場だが、ニーズは大きい」(成田社長)と判断した。
同社ではすでに4社の研修を請け負った実績がある。現在、人事担当者が、受講者の習得状況などを確認できる専用システムの開発を進めており、今年中に運用を始め、本格的な売り込みに乗り出す。
同社は11年6月期決算の売上高が6000万円で、企業向けに加え、子供向けと海外での日本語学習にも乗り出し、早期の1億円達成を目指す。成田社長は「きめ細かいニーズに対応し顧客を増やしていきたい」と話している。(小塩史人)
「フジサンケイビジネスアイ」