■オフをくつろぐ居住空間提供
新コンセプト「オーガニック」を取り入れた東京・西池袋のワンルームマンション(リヴァックス提供)
「個の満足」に応えるという中古不動産ブランド「REISM(リズム)」を掲げ、中古不動産のリノベーションを手がけるリヴァックス(東京都渋谷区)が、「オフの時間をゆったりくつろげる空間」を新たなコンセプトに掲げる「Organic(オーガニック)」を展開している。
都心で働く20~30代の独身層を対象として、住む人の個性を反映させる新しい不動産のあり方を提言してきたリヴァックス。ベンチャー企業として立ち上がった2005年以降、新コンセプトの提案は今回で12弾目となるが、同社の広報担当、熊倉理恵さんによると、オーガニックは「空間の雰囲気と質感にこだわった、暖かみや心を落ち着かせる木をベースとしている」という。
壁や天井には自然の木材を、また床には石タイルを施すなど、「外」より「家」での満足度を高めたい新しい時代に応えようというもので、東京・西池袋にある物件は東京メトロ副都心線要町駅から徒歩5分という立地を確保。従来のシリーズに比べると、ワンルームという限られたスペースでも、海外のホテルにいるような上質でリッチな空間が提供できるという。
「古くなったものに新しい命を吹き込む」をモットーとする同社は、居住空間に加えて良質な素材へのこだわりも、新しいリノベーション物件の柱のひとつとなっている。例えばフローリングは、天然木材や防音・防寒防湿対策にもつながる天然コルクなどを使用。クギ打ちも自由にできる専用壁を使った物件もあり、「原状回復」を気にせずに自分仕様のレイアウトを楽しむこともできる。
また何度でもペンキの塗り直しができるドイツ生まれの壁紙を利用するため、張り替えが必要な通常物件に比べてコストダウンを図ることにもなる。もちろん、ペンキの塗り直しが可能だから、居住者がウォールペインティングをすれば、自分だけのオリジナル空間を演出することもできるというわけだ。
ただ、独自の感性を演出する居住環境を市場に提供し続けるためには、コンセプトを反映させることができる良質な中古物件を確保することが必要だ。同社はすでに専門チームによる仕入れ部隊を立ち上げたが、当面は一棟物件をどう確保するかが課題となりそうだ。(長谷川周人)
「フジサンケイビジネスアイ」