■“隠れた特産品”ネットでPR
各地に眠る“隠れた特産品”を発掘し全国に広めたい-。そんな思いから、ウェブサイト構築支援のユニファクター(東京都江東区)は、特産品情報が集まる通販サイト「プレコラ購入処(かいどころ)」を強化した。「弁当」や「菓子」などのコーナーを新設する一方、携帯電話などでも地域産品を購入できるようにした。食にこだわる女性客の獲得をめざす。
「各地には、多くの優良商品が知られないまま埋もれてしまっている。それを踏まえ、生産者の販路拡大を手伝いたい」
そう意気込む本村高志代表取締役は2009年9月に購入処を立ち上げた。同サイトの特徴は、単に特産品をインターネット経由で販売するだけでなく、「生産者の熱い思いとこだわり」をきめ細かく紹介することだ。同社が自ら一部生産者を取材し、産地の魅力を紹介した記事もサイト上に掲載してきた。
特産品通販サイトを紹介するユニファクターの本村高志代表取締役=東京都江東区
その結果、美容や健康を意識する女性を中心にサイト利用者が増えてきた。このため、女性目線のサイトにリニューアル。女性利用者が、用途別に特産品を選べるよう工夫した。
たとえば、食後のデザートに合う特産品を探したい場合、同サイトの「手作り&イチ推しスイーツ TeaTime」を開くと、商品一覧が表れる。仮に、鳥取県産の米粉(こめこ)を利用したロールケーキにひかれた場合、サイトからケーキ製造業者の声を伝える記事にアクセスが可能だ。
今後は、クリスマスシーズン特集など、季節のイベントを切り口に特産品を提案する企画も検討していく方針だ。
同社は、こうした企画を通じて購入した消費者の口コミ効果によって、「ある地域の特産品の評判が評判を呼ぶ」という流れを作りたい考えだ。
生産者側からみると、同サイトは自身の力作を認知させるきっかけづくりの場となる。特産品の掲載方法は3種類を用意。このうち「ノーマルプラン」を選んだ生産者は毎月7500円を同社に払うほか、サイトで稼いだ月間売上高の5%を成功報酬として支払う。
現在、購入処サイトを利用する生産者数は約60事業者。これを2年以内に、約200事業者に増やすのが目標だ。また金額ベースでは、年間10億円規模の主力事業に育てる中長期目標を掲げている。
「将来的には、生産者と連携してオリジナル商品を企画・開発し、地域を元気づける一翼を担いたい」。産地と女性消費者を結ぶ挑戦が広がり始めた。(臼井慎太郎)
「フジサンケイビジネスアイ」