丹青社クロスメディアインキュベートセンター長・菅野敦夫さん(58)
--今月13~15日開催の「デジタルサイネージ ジャパン2018」に出展した。
「これまで展示会に参加する顧客の空間づくりをプロとして手伝ってきたが、大きな展示会に初出展した。ブースでは農林水産省が取り組む『日本食・食文化』を国内外にアピールするコンテンツを初披露。シズル感あふれる超高精細な食の映像と独自システムを活用した没入感ある空間を演出するため、『失敗は許されない』との覚悟で本番まで徹底的に試した。その甲斐あって、来場者からは『間近に迫り来るような迫力ある映像に囲まれ、その場ならではの臨場感があった』と好評だった」
--こうした空間演出技術を磨く施設をオープンした
「5月23日に『港南ラボ マークスリー[Mk_3]』を開設した。最新の演出技術を用いた空間の付加価値向上に注力する中、顧客やクリエーターなどと新たな空間デザインを共創する場として活用。まだ初めの一歩にすぎないが、顧客に寄り添い、労力を惜しまず、ふさわしい機材、システム、コンテンツを組み合わせて、より新しく質の高い体験を得られる空間を提供していく」
--空間演出で顧客ニーズは変わってきているのか
「オフィスのショールーム化が一例だが、体験に近づく施設づくりが求められている。会社や商品を知ってもらうため『時間を過ごす』演出が重要になっている。今やインテリアや内装の提案だけでは顧客は喜ばない」
--そのためにマークスリーをどう生かすのか
「テーマは『空間と技術の相乗』で設備や機材がそろっており気軽に使える。会員となって、空間演出にかかわるアイデア・技術の研究開発、実験・実証に一緒に取り組みたい。そのためプロジェクトにひも付きで、われわれから参加を呼びかけていく。化学反応を起こせば新たな空間づくりができる」
【プロフィル】菅野敦夫
すがの・あつお 日本大学理工学部卒。1983年西武建設入社、下北沢本多劇場を経て89年丹青社。2003年公共空間事業部業務・購買部部長などを経て17年2月から現職。神奈川県出身。
「フジサンケイビジネスアイ」