ウシオライティング(東京都中央区)は、業界として初めてデジタルカラー画像処理技術を搭載した、プラスチック射出成型機やダイカスト成型機用の金型監視装置「PLUS-E(プラスイー) PE-600モデル」を開発、国内販売を開始した。
標準セットの接続例
同装置は成型工程で固定金型の監視を行い、成型品の落下不良やピン折れなどをチェックしこれらを検知したときには成型機を自動的に停止。金型破損を未然に防ぐ役割を果たす。
ただ、電子・精密機器などに組み込まれるプラスチック成型品が精密・複雑化する中、これまでの画像解像度やモノクロ画像の輝度差による監視では、誤認するケースも生じてくるという。このため高精度監視を行えるように機能を向上させた。
基本性能は、取り込んだ画像データの処理速度が従来機比の約5分の2に短縮。分解能は2倍以上、画素数は約5.4倍へと大幅に向上した。また、モニターサイズも8.5インチから10.4インチと大型化を図った。
一連の取り組みを通じ「作業性が大幅に向上する」(小森谷輝夫・産業事業部プラスチック営業部副部長)点が特徴で、材料や製造コストの低減にもつながる。
主な用途はスマートフォンやパソコンに使用されるコネクター、自動車用ハーネスコネクターなどの成型工程。販売価格は145万円程度。
同社は原材料から搬送装置に至るプラスチックの生産ラインに関する全工程で、エンジニアリングシステムや製品を提供している。
このうち金型監視装置については、売上高のうち約7割を輸出で占めている。海外では10月から発売する予定で、初年度は国内外で1000台の販売を計画している。
「フジサンケイビジネスアイ」