フォトクリエイト(東京都新宿区)は、遠足や運動会といった学校行事の児童や生徒らの写真をインターネットで簡単に注文できるサービス「スナップスナップ」を運営している。デジタル時代の今でもプリントした写真を壁に張り出して注文をまとめる学校は多く、このサービスを利用すれば手間を省けると好評だ。
幼稚園児の茶道体験イベントを撮影するカメラマン(左)、フォトクリエイトのサービス「スナップスナップ」のスマートフォンの購入画面(右)
提携する写真館のカメラマンが撮った写真を入力。保護者は同社ホームページで会員登録し、スマートフォンやパソコン画面でいつでも子供の写真を閲覧し注文できる。
探したい顔を登録すると、その顔が写っている写真を自動で検索する機能もある。デジタルデータとしてダウンロードもできるし、プリントの注文も可能だ。張り出しだと、カメラマンは限られた枚数に子供全員が写るようにするため、数人が集まって前を見ているようなワンパターンの写真が多かったという。一方、このシステムでは枚数の制約がないので、「カメラマンは思う存分に腕を発揮し、思わず笑みがこぼれるような子供の一瞬の表情を撮影できる」と大沢朋陸社長は強調する。
2006年12月にサービスを開始。15年6月期の同事業の売上高は10億円と、過去6年間で4倍に急成長した。現在、全国約1400の写真館が、幼稚園から大学まで約3000の教育現場で写真を撮影している。
少子化の影響で、地域の写真館にとって学校行事関連の仕事は減少傾向とされる。このシステムを導入することで、学校も写真館も事務作業の負担が減るので、「新たな学校行事の撮影などビジネスチャンスが増える」と大沢社長は期待する。
過去に撮影した写真データはすべて保存されており、何年後でも注文できる。大沢社長は「子供の成長のいろんな場面をいい写真に残すことで、家族のコミュニケーションに役立ててほしい」と話す。
「フジサンケイビジネスアイ」