実店舗の商品棚の画像から商品を購入できる「見れるジャン!買えるジャン!」
ウェブサイト製作を手掛ける紫式部は、実店舗の棚から商品を選んで購入できるネットショップ「見れるジャン!買えるジャン!」を4月中に本格運用する。実店舗に出向いて買い物をする楽しみを、ネットショップでも味わえるようにした。ネットを通じて実店舗への誘客も促し、全国各地の商店街の活性化にも貢献する。2016年は400店舗を出店し、17年には900店、18年には1620店の出店を目指す。
「見れるジャン!買えるジャン!」は、実際の店内をネット上で紹介するため、実店舗のみが出店対象となる。サイト上では店舗内をパノラマ画像で巡回でき、棚や陳列台から商品を購入することができる。本当に来店したようなリアルさで、独自のディスプレーやデザインの魅力をアピールして、近所の人を実店舗へ誘客することも狙う。
料金は小売業向けが初期費用21万6000円で、月額8640円。飲食店のほか、介護施設、ホテルなどのサービス業向けには、それぞれ5万4000円と4320円。
店舗内の画像はスマートフォンで簡単に撮影し、商品データもエクセルで入力するので、パソコンが使える人であれば、だれでも簡単に入力できる。このため個人商店主から「ネットショップを出店する有効なツール」と評価され、15年4月から茶舗やそば店など3店舗で試験導入されている。本格導入に向けては、すでに東京都新宿区と広島市の地元商店街組合などと協議を進めている。ほかに東北や九州からも関心を示されている。
同社は1995年に日本初の古書のネット通販事業者としてスタートした。「見れるジャン!買えるジャン!」のサービスは、同社が神保町で直営していた古書店の書棚を撮影したショッピングサイトが基になっている。画像で陳列の位置や色あせなども把握できるため、「実際に古書店巡りをしているようだ」と古書愛好者から評判になった。
ユーザーの反応から古書以外の多業種へ展開し、全国各地の商店街や伝統産業の活性化にも寄与しようと2015年4月から「見れるジャン!買えるジャン!」の試験運用を始めた。
河野真社長は「実店舗の存在感を消費者にイメージさせることで、地域を活気づける街づくりに貢献したい」と話している。(佐竹一秀)
◇【会社概要】紫式部
▽本社=東京都文京区本郷3-6-4
▽設立=1996年6月
▽資本金=1000万円
▽従業員=7人
▽売上高=1億5000万円(2015年3月期)
▽事業内容=情報サービス、システム開発
「フジサンケイビジネスアイ」