東京多摩エリアのものづくりネットワーク

東京多摩エリアのものづくりネットワーク

東京多摩エリアを中心とする、ものづくりネットワーク「TAMA試作ネットワークTSUBASA」を運営している。

同社の小野晴世社長は、これまで製造業のWeb制作やオンラインショップの構築を10年行ってきたが、主要顧客である都内中小製造業の事業所数の減少が著しいことに危機感を持っていた。そのような状況の中、商品を作りたいと思っている企業が、町工場に試作の依頼をしても専門外で対応できないと断られるケースが多いことに気が付いた。そこで、これまで町工場が断っていたニーズに対して、企業連携で対応することができれば、新たなものづくりの担い手を増やすことができるのではないかと考え、1月に「TSUBASA」を立ち上げた。「TSUBASA」は、試作・商品開発において、設計やデザイン、部品加工など多様な技術を持つ企業がチームになって複眼的な提案を行う。製品のアイデアのみで図面がない場合は、コンシェルジュが窓口となって商品企画をまとめる。そして、場合によってはクラウドファンディングを活用した市場テストから量産までも行う。

今後は、仕様や図面が固まっていない依頼についても取りまとめる能力を高め、これまでものづくりと縁がなかった企業の商品開発を支援する。さらに電気やソフトウェアを含むIoT関連商品についても企業連携を進め、対応力を高めている。また、メンバー内で共同開発を行っている商品については、自らもクラウドファンディングを活用して市場に商品を出す予定だ。小野社長は「東京多摩には3000社の製造業が集積しています。東京ならではのユニークな発想で商品開発を行いたいという企業も多くある」と分析している。それらのニーズをつなげ、多くの「Made in Japan」を世界へ送り出すことを目指している。

「フジサンケイビジネスアイ」