ショーケース・ティービー森雅弘社長
パソコン(PC)やタブレット、スマートフォンなどの情報端末は、日進月歩を地でいく形で進化を遂げているはずだが、使い勝手の悪さに不便な思いをするユーザーは少なくない。ウェブマーケティング事業を展開するショーケース・ティービーは、ウェブサイトを快適に操作できるサービスを提供し、導入企業の会員獲得や増収などに貢献している。森雅弘社長は「ITが人間に合わせるべきだ」と人にやさしいインターネット利用環境の整備に力を入れる。
--「豊かなネット社会を創る」を経営理念にしている
「インターネットは情報や機能が多く、技術が高度化しすぎているため、本来の利便性が十分に生かされていない。利用者にとって、見やすく、分かりやすく、入力しやすい機能を提供している」
--各種サービスの中で、特にスマホ向けが注目されている
「スマホは急速に普及しているものの、対応しきれていないウェブサイトが少なくないからだ。例えばPC用サイトをスマホで見ると、拡大や縮小を繰り返す必要があり見づらい。当社のサービスはこうした欠点を補うもので、PC用サイトをリアルタイムでスマホ用に変換する。一般的にサイトの変換には初期費用と年間運営費を合わせて数百万円かかるとされているが、当社の場合、初期費用10万8000円と月額利用料3万2400円から導入できる」
--他には、どういったサービスを提供しているのか
「PC用の会員登録や購入手続きなどの入力フォームをスマホ用に変換するサービスでは、最後まで入力する成約率を18.1%から31.5%に上昇させた実績がある。他に利用者の閲覧履歴などを瞬時に判定し、関心の高いバナーに切り替えて表示することで、成約率を向上させている。主に金融、人材サービス、不動産、eコマース(電子商取引)など約5900契約の導入実績を残している」
--導入のメリットは
「サイトの利用者にとって使いやすく便利になることで、会員登録や購入手続きの途中で入力をやめてしまう人を減らすことができる。このため成約や販売の機会を逃さない。当社で調べたところ、導入後に売り上げを10%伸ばしたeコマースがあることが分かった」
--今後の展開について
「広告配信サービスの提供のほか、官公庁や自治体、企業内の業務用システムなど、ウェブマーケティング分野以外への展開も図る。2015年12月期の売上高は前年同期比22.5%増の12億500万円を予想している」(佐竹一秀)
◇【プロフィル】森雅弘
もり・まさひろ 金沢大大学院修了。1988年リクルート入社。97年フューチャーワークス(現ショーケース・ティービー)入社、98年から現職。51歳。石川県出身。
◇【会社概要】ショーケース・ティービー
▽本社=東京都港区赤坂3-21-13 昭栄赤坂ビル4階
▽設立=1996年2月
▽資本金=2億6790万円
▽従業員=79人 (2015年6月末時点)
▽売上高=12億500万円 (15年12月期予想)
▽事業内容=ウェブマーケティング支援