キューアンドエー牛島祐之社長
パソコンなどのトラブルや、操作法に関するサポートサービスを行うキューアンドエーの新社長に、牛島祐之・前副社長が昇格した。親会社のNECネッツエスアイ出身。同社はネットワークシステム支援に代表される企業向けBtoB事業を中心に展開しており、個人向けのBtoC事業を手掛けるキューアンドエーの機能との融合を加速し「新しいものをどんどん生み出したい」と意欲を示す。
--新社長としての抱負は
「BtoBでは高い品質が要求される分、事業化には時間を要する。それに比べBtoC向けの品質は簡易でありながら、BtoBに十分通用するサービスがある。またキューアンドエーはまだまだ小さな船なので、かじを切った場合に割と早く曲がりだすといったように、スピード感がある。特性を生かしてトライ&エラーを繰り返しながら、テクニカルサポートの領域からもう一本、太い幹が発生できるようにする。ただ、品質については満足しているわけではなく、積極的に改善している」
--具体的には
「物事を測定するための尺度を少し上げるなど、たくさんある。また、昨年の下期から品質を担保するための専門部門を立ち上げており、人材教育や現場スキルの強化を進めている」
--5つのグループ会社があるが、どういった形で連携を強めているのか
「各組織のキーとなる若手を集め、キューアンドエーの新しい方向性・ビジョンを検討させている。熱い議論が交わされており、シナジー効果が生まれることに期待している。会長の金川裕一・前社長はリーダーシップ性が高く、社員は大きな指針に従うことに強かった。今後は自走できる組織体を目指し、新しいサービスを磨くための力にしていきたい」
--市場環境は
「パソコンなどの機器のテクニカルサポートよりも、他の領域でニーズが高まっている。例えば端末から銀行への送金にからみ、セキュリティーに困っている人が多くなっているはずだ。変化を受け止め、事業転換に着手する必要がある。ただ、変わらなければならないのは高収益だった分野。販管費を含めて効率化を徹底的に断行するよう厳しい号令をかけている。これがベースになり、採算に乗る事業がもっと増えるはずだ。また、人事や総務スタッフをグループ全体で最適化すれば、一体感があるマネジメントが可能になる」
--今後の事業の方向性は
「コールセンター業務では、単純にコールを受けるといった仕事には付加価値がない。例えば通販系では物が売れるようにマーケティング機能を付加したり、医療分野に重点的に取り組むなど、ポイントを定めた上で少しとがった機能を強化していきたい。体力的には消耗戦は無理なので、他社がまねできないニッチな領域でのリーダーになりたい」(伊藤俊祐)
◇【プロフィル】牛島祐之
うしじま・ゆうし 青山学院大経営卒。1984年NECネッツエスアイ入社。執行役員を経て、2014年キューアンドエー副社長、NECネッツエスアイ取締役。15年4月から現職。55歳。東京都出身。
◇【会社概要】キューアンドエー
▽本社=東京都渋谷区渋谷2-15-1 渋谷クロスタワー29階
▽設立=1997年7月
▽資本金=8億9740万円
▽従業員=1268人
▽事業内容=パソコンなどのトラブルの解決に向けたサポートサービス
「フジサンケイビジネスアイ」