働くお菓子(東京)は、企業が顧客や取引先に配る記念品向けなどのオリジナル菓子作りを請け負い、知名度やイメージ向上を手助けしている。ユニークで遊び心がある提案が評判で、会社設立から約4年間で延べ約1200社から受注。売上高も年々伸びている。
顧客企業の要望はさまざまだ。ライバルとの競争激化に悩む物流会社には、利用相談があった消費者への贈り物などとして、ミニチュアのトラックを容器にしたクッキーを提案。食べ終えた後はティッシュケースとして使えるようにし、好印象が残るようにした。
顧客企業の依頼を受けて、働くお菓子が企画したオリジナル菓子新サービスのPRが課題だったIT企業向けには、新設したデータセンターの建物を模した菓子箱を中元や歳暮用に企画した。斬新なデザインがソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも話題になり、サービスに関心を持ってもらうきっかけになった。
株主総会や就職説明会向けの記念品も受注。近年は学園祭で配ったりして優秀な学生を集めようとする大学からも依頼が来る。
もともとは広告代理店を通じ、企業向けの菓子などを作っていた企業の一部門だった。顧客と直接話し合って提案する菓子作りのビジネスモデルを確立。2010年にグループ企業として誕生した。
少量の注文にも対応しており、顧客の約半数はベンチャーをはじめとした中小企業が占める。ユニークな菓子で業績向上に貢献すれば、注文増の形でビジネス拡大につながるため、顧客企業のニーズ把握には細心の注意を払う。
西川裕揮社長は「蓄積したノウハウを生かして、あらゆる目的に対応できる菓子作りを極めたい」と話している。