■低価格、簡単操作 17言語に対応
利用者の利便性を優先したシンプルな操作画面
多言語コミュニケーションツールの企画・開発・運営を手掛ける八楽(やらく)は、ビジネス文書などの翻訳支援システム「YarakuZen(ヤラクゼン)」を発売した。日本国内と海外の日系企業向けに英語、中国語、韓国語のほか、欧州系言語、アジア系言語など17カ国語に対応している。既存のシステムと比べて操作が簡単で、月額9504円からの低価格で導入できる。9月の発売以来、中小、ベンチャー企業を中心に、ログインするための権利であるアカウントは約400アカウント成約している。年内に1000アカウント、来年までに1万アカウントを目指す。
日本国内の産業翻訳市場は約2000億円と推定され、翻訳会社は約2000社あるとされている。2008年のリーマン・ショック後、大企業だけでなく中小企業もグローバル展開を進めているため、翻訳市場はさらに伸びることが予想される。
ヤラクゼンはユーザーが文書を日本語で入力してクリックすると、機械が翻訳した文書が複数表示される。表示された文書をユーザーが修正したり、承認することで効率的に翻訳することができる。修正した結果はメモリーに自動的に保存、蓄積されるため、次回以降の機械翻訳に自動的に反映されて翻訳の精度が向上する。人が全てを翻訳する場合に比べて3倍以上効率を高めることができる。
一般的にビジネス文書を翻訳する場合、無料翻訳サイトを利用することが多い。しかし坂西優社長はヤラクゼンを導入する利点について「効率性が高く、長時間残業をさせる必要がないため、月に2回翻訳ニーズがあれば十分にペイできる」と優位性をアピールする。
中学生レベルの英語が分かれば、ビジネス文書の英訳は十分可能だ。また翻訳者に依頼することもできる。同社が契約する3万人以上の翻訳者にクラウド上で申し込む。翻訳者は3段階に分かれており、必要なレベルと予算に応じて選択することができる。クラウド上なので24時間いつでも対応し、eメールであれば最短15分で修正が完了する。
新サービスの準備も進めている。坂西社長は「企業の翻訳担当者からの、より英語らしい表現への需要が高い」と来春のリリースに向けて、英英翻訳支援機能を新たに付加する。また来年夏までには外国企業向けに英語、中国語、韓国語版を発売する。(佐竹一秀)
【会社概要】八楽
▽本社=東京都渋谷区南平台町4-8 南平台アジアマンション607
▽設立=2009年8月
▽資本金=1億4495万円(資本準備金含む)
▽従業員=13人
▽事業内容=多言語コミュニケーションツールの企画・開発・運用
「フジサンケイビジネスアイ」