シー・コネクト 嶽本泰伸社長
オフィスのOA化がさらに高度化し、プリンターで印字するためのインクカートリッジ、トナーカートリッジの消費も増え続けている。プリンターは低価格化が進んでいるが、インクやトナーの価格は下がっていない。割高で異なるプリンターとの互換性もないメーカー本位の商法に疑問を持ったシー・コネクトの嶽本泰伸社長は、リサイクルや互換のインク・トナーを販売するeコマースサイト「インク革命.com」を運営している。嶽本社長は「日本のeコマース市場を大きく育てたい」と話している。
--リサイクル・互換のインクカートリッジ、トナーは安いが品質への不安が根強い
「工場と直接取引しているので、低価格でありながら品質も高い。当社より安価な商品を販売している業者は多いが、高品質とコストパフォーマンスのバランスが評価され、互換・リサイクルインクカートリッジ、トナーのeコマース販売業者としてはトップクラスに成長した。半分以上の顧客はリピーターになっている。とくに売上比率の65%が法人向けで、官公庁や有名な大企業も取引先になっている」
--他社と比べて強みは
「商品を自社で製造するのはもちろんだが、システムから物流、カスタマーサポートなども自社で運営している。これらは通常、外注していることが多いが、きめ細かなサービスを提供するために内製化した。年中無休で商品の注文を受け付けるだけでなく、午後7時までの受注品はその日に発送している」
--実店舗も出店している
「4月に東京・御徒町に直営第1号店をオープンした。相乗効果を狙い、ネットショップと同じ『インク革命.com』という店名にした。幹線道路沿いで、秋葉原からも歩くことができる。周辺の中小企業や通りすがりの新規顧客を開拓して、ネットショップへも呼び込む。年内に店舗の月商を120万円にして、2号店を秋葉原に出店したい」
--今後の事業計画は
「日本国内のeコマース化率は3%にすぎず、成長余地は十分ある。今後商材を多角化して、年商5億~10億円のネットショップを複数立ち上げる。実店舗と提携して、お互いに送客しあうことも考えている。社内を事業部制にして3~4人の少数精鋭で、システム構築から企画、販売などを任せる。eコマース以外の事業分野にも自由な発想で挑戦してもらいたい。2014年3月期の売上高は4億5000万円だが、19年までに100億円を計画している」(佐竹一秀)
【プロフィル】嶽本泰伸
たけもと・やすのぶ 都立江戸川高校卒。2009年8月シー・コネクトを設立し、社長就任。33歳。東京都出身。
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【会社概要】シー・コネクト
▽本社=東京都文京区湯島1-6-3 湯島1丁目ビル6階
▽設立=2009年8月
▽資本金=3000万円
▽従業員=45人(2014年4月1日時点)
▽売上高=4億5000万円(2014年3月期)
▽事業内容=eコマースサイト運営、オリジナル商品の製造・販売など
「フジサンケイビジネスアイ」