カタリズム 山野 智久社長
体験型レジャーの予約サイト「あそびゅー」を運営しているカタリズム。スキューバダイニングやラフティングといったアウトドア・レジャーを中心に、人気プランでも無料で予約できる利便性の高さが支持され、2012年7月の開設以来、順調に利用者を伸ばしてきた。山野智久社長は「余暇の選択肢を最大化し、利便性を追求することで、消費者の笑顔を作りたい」と意気込む。
--あそびゅーの内容は
「予約が必要なレジャーや体験プログラムについて、情報の検索や予約ができる。150ほどのジャンルで約2400件のプランを用意している。もともとはアウトドア・レジャーから出発したが、今はそば打ちやガラス工芸、生け花といった趣味的な内容のプランもある」
--プランを提供する側のメリットは
「あそびゅーだけで予約できる変わり種の一つに観光地の人力車があるが、これまで大半は現地の営業に頼らざるを得なかった。それがプラン料金の約10%を成約料として支払うだけで、ネットという新たな集客ルートを手に入れられるほか、予約対応業務を効率化できる」
--消費者の利用目的は
「1つは旅先で体験したい場合。これまで宿泊と移動手段はネットで予約できるのに、こうしたレジャーだけができなかった。もう1つは週末に暇だったり、デートでどこかに行きたいときに使っている。前者は2週間前、後者だと1週間前に予約するケースが多い。当社にはカスタマーサポートがあり、予約が取れないときに同様のプランをすすめたり、直前の予約に対応したりもしている」
--目標は
「今は現地でしか決済できないが、近くサイト上でクレジットカード決済できる仕組みを導入する。サイトの外国語版を作り、訪日外国人が予約できるようにもする。来年には航空券や宿泊施設とのセット予約にも対応する計画だ。現在は年数万人が予約しているが、将来的には1000万人に増やしたい。日本だけでなく、海外のプランを取り扱うことも視野に入れている」
--新事業の育成にも取り組んでいる
「13年12月には配信開始した無料スマホ向けアプリ『ほりっぷる』を配信開始した。これは半日、1日で回れる観光地の旅程を紹介し、事前に調べる不便を解消してもらえるものだ。今は2000以上のコースを掲載している」
--今後の抱負は
「もともと世の中にないサービスで人々の不便を解消したかったほか、成長市場で勝負したいと考えていた。余暇市場は人生をかける価値のある分野。日本人だけでなく、世界の余暇市場の問題を解決していきたい」(井田通人)
【会社概要】カタリズム
▽本社=東京都港区北青山2-11-3 青山プラザビル3階
▽設立=2011年3月
▽資本金=1億1004万5000円
▽従業員=38人(アルバイト含む)
▽事業内容=体験型レジャーの予約サイト運営など
【プロフィール】山野智久
やまの・ともひさ 明大法卒。2007年リクルート入社。11年3月カタリズム設立。31歳。千葉県出身。
「フジサンケイビジネスアイ」