メールシステムに特化したベンチャーとして「日本代表を目指したい」と語るサイバーソリューションズの秋田健太郎社長
サイバーソリューションズは、国内で唯一のメールシステムに特化したIT(情報技術)ベンチャーとして、2000年の設立以来、順調に業績を伸ばしてきた。この分野では米マイクロソフト(MS)や米グーグルといった海外の巨大企業も製品やサービスを提供しているが、秋田健太郎社長は「日本代表を目指したい」と、国内でのさらなる需要開拓に意欲をみせる。
--事業内容は
「主に『多機能メールサーバー』と、機密保持などに欠かせない『セキュリティーゲートウェー』、メールの保存・検索が可能で内部統制に役立つ『アーカイブ監査システム』の3製品を販売している。提供方法は2通りあり、03年から販売しているパッケージシステムと、09年1月に始め、ネット経由で必要な機能を提供するクラウドサービスがある。強みは日本企業にとっての使いやすさを意識している点で、ウェブメールを高速で使えるのはその一つだ。プロバイダー経由を含め、累計で延べ約1万社に提供している」
--メールシステムの導入企業はまだ増えていくのか
「正確な市場規模は不明だが、多くの企業がコンプライアンス(法令順守)や内部統制を強化し、個人情報保護が叫ばれるなか、サポートや保証のないフリーソフトでは対応が難しくなっている。企業でやり取りするメールの情報の重要度は格段に高まっており、急に使えなくなってもいけない。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末でも送受信できないといけない」
--パッケージはクラウドに置き換わっていくのか
「小規模の企業が顧客の中心だったクラウドは、パッケージを使っていた500~1000人規模の企業も利用するようになっている。時代の流れがクラウドにシフトしているのは間違いない。ただ、システムを共有するクラウドには独自の利用ルールがあるほか、機能がパッケージより限定される場合もある。当社のパッケージは利用目的などに応じてカスタマイズでき、販売も順調に伸びている。選べることを強みにしていく」
--MSなどの外資系大手と競合している
「もともとフリーソフトと非常に高価な海外製品に挟まれたニッチな製品として出発し、クラウド提供もいち早く始めた。今もそういった中間的存在はそんなにない。日本での実績では外資系大手にも負けていない」
--海外進出は
「日本と台湾で開発し、関係会社を通じて台湾と上海で中国語バージョンを販売している。ただ、日本のソフト産業は国内ですら外資系に攻め込まれているのが現実。日本で勝てなくてはどの国でも勝てない。逆に日本企業は海外製品に満足しているわけではないと思う。日本企業が求めるものを追求したい」(井田通人)
【プロフィル】秋田健太郎 あきた・けんたろう 愛知大経済卒。オービックなどを経て、2000年1月サイバーソリューションズ設立。46歳。愛知県出身。
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【会社概要】サイバーソリューションズ
▽本社=東京都港区三田3-13-16 三田43MTビル8F
▽設立=2000年1月
▽資本金=1億円
▽社員=25人
▽事業内容=ソフトウエアの企画・開発・販売
「フジサンケイビジネスアイ」