著者は語る

「ファンドを活用する事業承継」
著者:西野貴司

ファンドを活用する事業承継

日本の経済を長年にわたって支えてきた中小企業の多くが、経営者の高齢化と後継者不在によって存亡の危機に立たされています。 帝国データバンクの調査に示されている「リサーチに協力した約30万社の中小企業のうち3分の2が後継者不在」という現状は、将来の日本経済そのものを左右するほどの大問題です。

「中小企業が持つ優れた技術やノウハウをいかに次世代に承継していくのか?」

この待ったなしの課題を解決する新たな選択肢として、近年、存在感を増してきているのが「ファンド」です。 本著では、中小企業とのM&Aに特化したファンドを10年以上運用し、30社を超える企業との資本提携を手掛けた著者の経験をもとに、 ファンドの仕組みや事業承継にファンドを活用するメリット、M&A後の経営支援の進め方などを分かりやすく説明しています。

新規ファンド設立の記事がメディアを賑わすことが多くなり、日本でもファンドの数は増えてきました。 しかし、その実態はそれほど世の中に広まっておらず、怖くて威圧的な“ハゲタカファンド”のイメージが数多くの生活者の脳裏に刻まれていることは否めません。

ファンドには企業再生ファンドから上場企業に物申すアクティビストファンドまで幅広く存在し、特徴も大きく異なりますが、 それらすべてが「ファンド」という大きな括りで語られている傾向があります。

著者:西野貴司

未公開企業の株式を対象とするバイアウトファンドに限定しても、投資会社によって特徴はさまざまです。 大企業は組織が確立しており、ファンドが経営権を握った後に経営陣や経営方針がガラリと変わっても、安定して事業を継続できますが、中小企業では状況が異なります。 オーナー経営者が築き上げた組織文化が色濃く根付いており、人材採用も難しく社内リソースは限定されています。

事業承継で悩みを抱える中小企業の経営者は、「今の状況を、どうにかしなくてはいけない!」という危機意識は持っていますが、良い相談相手が周りにいない場合がほとんどです。 事業承継を実際に進めていく上で、「外部の目=第三者の視点」を入れて問題を見つめ直し、整理することは非常に大切です。

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にしの・たかし 早大卒、1997年電通に入社。2003年アクセンチュアの戦略グループに入社し05年にマネジャーに昇進。06年日興アントファクトリー(現アント・キャピタル・パートナーズ)に入社後、ACAへ転籍。マネージングパートナーとして国内中小企業に特化したファンドを運用。018年に日本グロース・キャピタルを創設。資本提携先の取締役に就任し事業承継や成長戦略などの経営支援を手掛けている。仏HECParis経営学修士課程(MBA)修了。

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