製造業者が知るべきテクニカルマーケティングのツボ

第25回

マーケティングリサーチとツールの考え方

後藤 亘 2018年12月11日
 

あなたの会社の得意な技術、そしてそれを使った新製品ができました。

それを市場にリリースする場合、例えばそれがB2Cビジネスであれば、

マス広告を使うことで潜在ユーザーにリーチして情報を届けることは、

それほど難しくはありません。

今では、様々なメディアやSNSを使ってターゲットを絞り、

狙った層にマス広告を打つこともできます。


しかしB2Bビジネスをしている製造業の場合は、潜在ユーザーに

リーチしてタイムリーに情報を届けることは容易ではありません。

もちろん、新製品が現行品のバージョンアップやモデルチェンジなどで

あって既存ユーザーへの更新やアップグレード提案がメインであれば、

ある意味簡単でしょう。


しかし技術の応用分野を拡大して従来とは違う分野への参入を目指し

新しい用途開発を促そうとすると、これは途端にハードルが高くなります。

基本的に全く新規の取引先を開拓することと同じですから。


つまり、このようなことが必要になります。

- 想定される用途から、どんな企業がプレーヤーとして存在するのか?

-  存在が確認されたら、次にプレーヤーが何社くらいあるのか?

-  それぞれの事業内容とビジネスサイズは?

-  上流や下流企業との分業は?

-  他社との棲み分けは?

最低限、こういったポイントは調査したいところです。

取っ掛かりは、業界誌やその業界のイベント・展示会などから情報を

集めたり、今ならネットを使ったリサーチもあるでしょう。

コストを掛けられるのであれば、調査会社を使う手もあります。


そして、そのリサーチ結果をもとにターゲット顧客を選定し、

わかりやすくアプローチする必要があります。

つまり、あなたの会社が持つ技術と顧客が持つ技術の接点、

そして提案する技術を使うことによってその顧客が得られるであろう

ベネフィットは何か?

これをプレゼンできなければなりません。

ここは場合によっては想像力をふくらませる必要があるかもしれません。

そのときに準備するマーケティングツールにも注意が必要です。

当然、自社の技術についての情報についてわかりやすく作成した資料や、

時にはサンプルなども用意したほうが良いケースもあります。

しかし重要なのは、あなたの技術との接点とそれを使うことで相手企業が

得られるベネフィットを前面に出すことです。

そのためにもリサーチが重要なのです。


そのリサーチをもとに、あなたなりに考えた、技術の利用用途と

ベネフィットを盛り込みます。

もしかしたら、全く的外れかもしれません。

が、問題ありません。

「勉強させてください」と、何がどう的外れなのか、じっくり

ヒアリングできます。

そのやり取りによって、軌道修正すれば芽はあるのか、箸にも棒にも

かからないのか、判断する材料が入手できます。

そして次のステップに進めばいいのです。


そのやり取りを効果的に行うためにも、技術の本質とベネフィットを

わかりやすく見せるマーケティングツールとしてのコンテンツが大切なのです。

 
 

プロフィール

株式会社ルーセントコンサルティング
代表取締役 後藤 亘

大学卒業後30年間、主に通信、半導体業界における外資系企業でキャリアを積む。

エンジニア時代には、携帯端末向けやガスメーター向けなど数多くの半導体設計に携わる。その後、そのような電子部品をセットメーカーに対して拡販するマーケティングに異動。そこでは、技術とアプリケーション(使用用途)の両方を熟知した顧客提案が功を奏し、多くの分野で新規案件を獲得してきた。

また、40歳を前に大学院に入学、技術の商業化やマーケティングを学術的に身につけてMBAを取得。その理論的裏付けと専門技術的な知識を、その後の数社の外資系企業でのマーケティング活動に活かした、技術マーケティングのプロ。

現在は、前職で培った経験と実績をベースに、国内の中小製造業が持つ独自技術の「見せ方」を工夫して用途開発を加速させることを目的とした「用途開発誘起戦略」を提唱し、これを実践するための仕組みづくりを体系化して、製造業経営者の方にコンサルティングを行っている。

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