製造業者が知るべきテクニカルマーケティングのツボ

第24回

技術の見せ方のポイント

後藤 亘 2018年11月27日
 

自社が待つ優れた技術やユニークな製品の応用用途を拡大したい。

それを実現するのがテクニカルマーケティングです。

このテクニカルマーケティングも、場面ごとに様々な運用や注意点があります。

その大きな1つの柱が、見せ方の最適化です。

どういうことでしょうか?


1つの大きなアクションとして、技術や製品の用途開発を促進させたい、

という目標があります。

その時この目標を実現するために必要な事は何か、それを深掘りしていきます。

例えば、第三者がその技術を使った新しい用途を発想し、開発へと

つなぐために必要なことは何かを考えます。


まずはじめは、「正しく知る」ことでしょう。

知らなければ、何も始まりません。

つまり、その技術をよく見てもらって、わかってもらわなければなりませんね。

では、わかってもらうためには、何をどう見せれば良いのでしょうか?

ここで大切なことは、見せる相手の属性を見極めることです。


例えばA社は、工場の製造現場の担当者、オペレーターの割合が多い

会社とします。

反面、メカニカルな知識を持つエンジニアがそれほど多くない会社。

一方B社は、メカニカルな知識を持つ技術者の割合が多い会社とします。


同じ技術、製品をプレゼンする場合でも、この2社に同じように見せても

あまり効果は期待できません。

なぜなら、A社とB社では会社の属性が違うので、彼らが評価するメリットも

違う可能性が大きいからです。


この場合、例えばA社には、その技術を使うことで歩留まりを向上させることが

出来るかもしれません。

メンテナンスのサイクルが延長でき、オペレーターの負荷が減らせる可能性が

あります。

だから、この技術を使えるか検討してみませんか?

とA社が感じるメリットを見せる必要があります。


B社には、この技術を使うことで加工の精度が出しやすくなり、製造の自由度を

もっと上げることが可能になります、

とB社にとってのメリットを前面に出すべきでしょう。


このように、見せる相手ごとにコンテンツを最適化できるかどうかが、

その後のアクションにつながるかどうかの大きな分岐点になります。

マーケティングを意識していなくても、優秀な営業マンであれば無意識にこういった

見せ方が出来る場合もあります。

その時は、是非その考え方や見せ方をマニュアルにして社内で共有できるように、

社長であるあなたがシステム化してください。

ちょっとしたことでも、これが積み上がることで大きな戦力になります。

 
 

プロフィール

株式会社ルーセントコンサルティング
代表取締役 後藤 亘

大学卒業後30年間、主に通信、半導体業界における外資系企業でキャリアを積む。

エンジニア時代には、携帯端末向けやガスメーター向けなど数多くの半導体設計に携わる。その後、そのような電子部品をセットメーカーに対して拡販するマーケティングに異動。そこでは、技術とアプリケーション(使用用途)の両方を熟知した顧客提案が功を奏し、多くの分野で新規案件を獲得してきた。

また、40歳を前に大学院に入学、技術の商業化やマーケティングを学術的に身につけてMBAを取得。その理論的裏付けと専門技術的な知識を、その後の数社の外資系企業でのマーケティング活動に活かした、技術マーケティングのプロ。

現在は、前職で培った経験と実績をベースに、国内の中小製造業が持つ独自技術の「見せ方」を工夫して用途開発を加速させることを目的とした「用途開発誘起戦略」を提唱し、これを実践するための仕組みづくりを体系化して、製造業経営者の方にコンサルティングを行っている。

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