製造業者が知るべきテクニカルマーケティングのツボ

第22回

市場の捉え方でビジネスは変わる

後藤 亘 2018年10月30日
 

あなたの会社が持つコア技術や製品の市場とその規模は、どのように捉えていますか?

当然といえば当然ですが、あなたのビジネスの規模は、その市場規模、

マーケットサイズに依存します。では、ビジネスを一回り大きくしたいと思ったときには、

どうすればよいのでしょうか?


自らが持つ技術をガンガン使ってもらって、マーケットそのものを一回り大きくする、

というのが直球の答えですね。しかし使う立場から考えた時、今まで使ったことも

なければ、見たこともないような製品を採用するというのはどうでしょう?

納得できるベネフィットがあって、採用することへのリスクが小さいことが確実で

なければ踏み出しにくいですからね。


では何か、もう少し簡単にビジネスを一回り大きくする方法はないのでしょうか?

実はあります。

それは、マーケットそのものを大きくするのではなく、マーケットの”捉え方”を変える

ということです。マーケットを決める、ということはそのマーケットサイズに応じた

ビジネスの枠をあなたの会社にはめることになります。

その捉え方を変えることを考えれば、市場規模もその捉え方で変わってきますね。


では、どのように捉え方を変えればよいのでしょうか?ここでは3つの例を挙げて考えてみます。

- 代替技術を考える 

- 川上・川下を考える

- アライアンスを考える


代替技術を考えるというのは、あなたの技術や製品を大体できるモノは何か?

を考えることです。

一般にいう競合だけではなく、全く別の技術や手法だけれど、同じような問題に

対して同じような解決法を提供しているモノがないか、検討することです。

従来はアプローチ方法が違うという理由で別マーケットと捉えていた市場は

ありませんか?


川上・川下とは、サプライチェーンのことです。

あなたが考えている市場の川上や川下まで、あなたの技術や製品のマーケットと

捉えることはできませんか?


アライアンスは、協業ですね。取引会社や協力会社が扱っている分野も、

自社の製品のマーケットと捉える方法です。


いずれの場合でも、マーケットの捉え方を変えるということは、同時にあなたの

コア技術もその市場に適応させる必要があります。微調整で済むのか

大きなバージョンアップが必要なのか。はたまた何かを削ぎ落とすことも

必要かもしれません。

しかし、その適応の過程では、その市場のニーズを取り込むことができます

から、それを自社の商品開発やコア技術のブラッシュアップに活用できますね。

同時に新しく捉えたマーケットでの用途開発もすすめることもできるようになります。


あなたの会社では、コア技術のマーケットをどのように捉えていますか?

 
 

プロフィール

株式会社ルーセントコンサルティング
代表取締役 後藤 亘

大学卒業後30年間、主に通信、半導体業界における外資系企業でキャリアを積む。

エンジニア時代には、携帯端末向けやガスメーター向けなど数多くの半導体設計に携わる。その後、そのような電子部品をセットメーカーに対して拡販するマーケティングに異動。そこでは、技術とアプリケーション(使用用途)の両方を熟知した顧客提案が功を奏し、多くの分野で新規案件を獲得してきた。

また、40歳を前に大学院に入学、技術の商業化やマーケティングを学術的に身につけてMBAを取得。その理論的裏付けと専門技術的な知識を、その後の数社の外資系企業でのマーケティング活動に活かした、技術マーケティングのプロ。

現在は、前職で培った経験と実績をベースに、国内の中小製造業が持つ独自技術の「見せ方」を工夫して用途開発を加速させることを目的とした「用途開発誘起戦略」を提唱し、これを実践するための仕組みづくりを体系化して、製造業経営者の方にコンサルティングを行っている。

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