製造業者が知るべきテクニカルマーケティングのツボ

第19回

展示会やイベント参加で失敗しないポイント

後藤 亘 2018年9月18日
 

国内外を問わず、1年を通して様々な展示会や見本市といったイベントが
あちこちで開催されています。あなたのビジネスに関わる技術に関する展示会や、
その最終製品をあつかう見本市やイベントなども、知名度の大小はあっても
定期的に開催されていて、出展や参加をしたことがあると思います。


中小製造業のマーケティングと言う意味では、こういったイベントや
展示会は積極的に活用すべきと思います。
しかし、いくつか注意しなければならない点はもちろんあります。
これを外してしまうと、単に時間と予算を無駄に使っただけ、
になりかねません。
具体的にどう考えればいいのか、そのポイントをあげてみます。

1. イベントや展示会自体の開催趣旨を確認する。

基本のきではありますが、以外に見落としがちなポイントです。
主催者側は、特定の意図を持ってスポンサーを集め、イベントを開催します。
どういった業種のどんな会社に参加してもらいたいのか。
それによってどんな人や会社に参加してもらいたいのか、その規模は
どのくらいを想定しているのか。


こういった開催趣旨から想定来場者の属性を事前に確認する必要があります。
それによって、あなたがコストを払って参加をするべきかとうかが判断できます。

2. 参加する場合は目的を明確にする。

開催趣旨を確認し、来場者の属性から参加を決めたとします。
そのときには、あなたが参加するための目的を明確にする必要があります。
なぜなら、目的を明確にすることでゴールが設定できるからです。
ゴールが設定できれば、費用対効果が測定できるからです。


よくありがちなのが、「業界のイベントだから」とか「毎年参加しているから」
などの付き合いや惰性で出展するケースです。
動機がどうであれ参加すると決めたからには、ゴールを設定すべきでしょう。
そして終了時に費用対効果を見て、その参加動機と効果を天秤にかける、
そして次をどうするかは社長としてのあなたの判断です。

3. 属性に合わせた展示内容、コンテンツを用意する。

実は、ここが最も大切でありながら、準備としては難しいところです。
普段付き合いがある会社や業界の人たちだけが出展し、来場するような
イベントであれば、あなたの会社が用意すべきコンテンツは、普段の
技術紹介に使用している資料やデモンストレーションでもかまわないかも
しれません。しかし、イベントの趣旨から他の業界や業種の来場者が見込める
ような場合には、それ用にコンテンツを用意しなければなりません。


簡単に言えば、あなたのコア技術を素人にもわかるように説明するコンテンツ
であり、どんな価値を享受できるのかがわかるコンテンツを準備する必要が
あります。パネルなのか、プレゼンテーションなのか、デモなのか、
最もわかりやすい形で伝える工夫が必要です。


例えばあなたのブースのデモを見た来場者が、
「それならウチのこんなところに使えば、あの工程が楽になるかな?」と
具体的な使い方がイメージできるようなコンテンツならベストでしょう。


イベントや展示会は、あなたの会社が持つコア技術を世間に公開して、
あらたな用途開発を促進するには良い「場」になります。
ただし、その「場」の選び方や、そこでの「見せ方」つまりどんなコンテンツを
準備するかによって結果は大きく左右されます。


あなたの会社でも、こういったマーケティング目線でイベントや展示会に取り組む
ことをお薦めします。
最大の期待すべき効果は、あなたが待つコア技術の新しい用途が誘起されることですから。

 
 

プロフィール

株式会社ルーセントコンサルティング
代表取締役 後藤 亘

大学卒業後30年間、主に通信、半導体業界における外資系企業でキャリアを積む。

エンジニア時代には、携帯端末向けやガスメーター向けなど数多くの半導体設計に携わる。その後、そのような電子部品をセットメーカーに対して拡販するマーケティングに異動。そこでは、技術とアプリケーション(使用用途)の両方を熟知した顧客提案が功を奏し、多くの分野で新規案件を獲得してきた。

また、40歳を前に大学院に入学、技術の商業化やマーケティングを学術的に身につけてMBAを取得。その理論的裏付けと専門技術的な知識を、その後の数社の外資系企業でのマーケティング活動に活かした、技術マーケティングのプロ。

現在は、前職で培った経験と実績をベースに、国内の中小製造業が持つ独自技術の「見せ方」を工夫して用途開発を加速させることを目的とした「用途開発誘起戦略」を提唱し、これを実践するための仕組みづくりを体系化して、製造業経営者の方にコンサルティングを行っている。

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