製造業者が知るべきテクニカルマーケティングのツボ

第1回

理想とする製造業の「マーケティング」と、そのメリットとは?

後藤 亘 2018年1月9日
 
皆さん、はじめまして。
株式会社ルーセントコンサルティングの後藤と申します。
このコラムでは、「製造業経営者が知るべきテクニカルマーケティングのツボ」と題して、
隔週でこの場を借りて解説いたします。

まず、この「テクニカルマーケティング」という言葉ですが、なかなか一般には馴染みがない言葉かと思います。
私が30年ほど関わった半導体業界では、一般的な言葉です。
ではまず、「テクニカルマーケティング」の前に、マーケティングについてはどうでしょう?
国内の中小企業では、マーケティングそのものについての認知度が低かったり、営業(セールス)との違いがよくわかってなかったり、というのが大方の印象かと思います。
また、中小企業の経営課題を聞いたアンケートでも、「マーケティング力が弱い」という答えは、常に上位にランクインしているようです。この場合の「マーケティング力」とは、新規開拓がうまくいかないとか、販路が広がらない、といったことを示すことが多いようです。

では、改めて「マーケティング」とは何でしょうか?アメリカにも日本にもマーケティング協会なるものがあり、それぞれマーケティングについて定義しています。
また、アカデミックな分野では、ポーターやコトラーなどの学者の名前を聞いたことがある方もいることでしょう。また有名どころでは、ドラッカーが述べた言葉がありますね。
「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」(マネジメント 基本と原則 p.17)

つまり、営業マンが「買ってください」と売り込まなくても、お客の方から「売ってください」と寄ってくるようにするのが、マーケティングの理想です。

この延長に、「テクニカルマーケティング」があります。
製造業者であれば、「御社の技術を使わせてください」とか「御社の製品を使わせてください」とお客さんが訪れるのが理想です。

一般消費者にモノを売るB2Cのマーケティングと違い、主にB2Bでモノが売られる製造業には、「技術を売ってその利用用途を拡大させる」という切り口のマーケティングの考え方が必要です。
これが、私が言う「テクニカルマーケティング」です。

では、この「テクニカルマーケティング」の考え方を身につけると、どんないいことがあるのでしょうか?

例えば、
- あなたの会社が持つコア技術について、その価値を正しく認識出来るようになります。正しく、と言うのは、その技術の作り手目線ではなく、利用者目線ということです。
- その価値をわかりやすく説明することができるようになります。
- どのような場で、誰にどのような見せ方をすればよいのか、わかるようになります。

これらのポイントを活用することが、技術の新たな使い方を発想したり用途開発を促したりするためのトリガーになります。
これが弊社が提唱している「用途開発誘起戦略」です。

今後、この「用途開発誘起戦略」につながる「テクニカルマーケティング」について解説いたしますので、どうぞお楽しみに。

 
 

プロフィール

株式会社ルーセントコンサルティング
代表取締役 後藤 亘

大学卒業後30年間、主に通信、半導体業界における外資系企業でキャリアを積む。

エンジニア時代には、携帯端末向けやガスメーター向けなど数多くの半導体設計に携わる。その後、そのような電子部品をセットメーカーに対して拡販するマーケティングに異動。そこでは、技術とアプリケーション(使用用途)の両方を熟知した顧客提案が功を奏し、多くの分野で新規案件を獲得してきた。

また、40歳を前に大学院に入学、技術の商業化やマーケティングを学術的に身につけてMBAを取得。その理論的裏付けと専門技術的な知識を、その後の数社の外資系企業でのマーケティング活動に活かした、技術マーケティングのプロ。

現在は、前職で培った経験と実績をベースに、国内の中小製造業が持つ独自技術の「見せ方」を工夫して用途開発を加速させることを目的とした「用途開発誘起戦略」を提唱し、これを実践するための仕組みづくりを体系化して、製造業経営者の方にコンサルティングを行っている。

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