〝稼ぐ〟ためのリスクマネジメント

第1回

〝稼ぐ〟ための『リスクマネジメント』とは?

木川 務 2019年7月11日
 
『リスクマネジメント』というと、「何か問題が生じてからの対処方法をあらかじめ考えておく」というイメージがある方は多いと思います。

しかし、『リスクマネジメント』は、何かあってからの対処方法の問題としてではなく、何かが生じる前に『如何にリスクをコントロール可能な状態にしておくか』という問題として捉えるべきものです。

そして、「稼ぐ」ことよりも優先順位が低いかというと、そうではありません。

むしろ、売上を上げて、しっかりと稼ぐ(利益を出す)ためには、『リスクマネジメント』はなくてはならないものなのです。

そもそも、『リスクマネジメント』とは、どういう位置づけものか。

リスクマネジメントの定義に確定的なものはありませんが、一般的に『 企業価値を高めるための活動 』であると理解されています。

企業価値を高めるためには、売上を増やして利益を出す(稼ぐ)ことが必要ですが、そのための活動として、『リスクマネジメント』が位置づけられているのです。

ただ、そうはいっても、『リスクマネジメント』というと、具体的に何をすればよいのか分からないという人が多く、「何かあったら、お願いします。」という経営者がほとんど。

ここでリスクマネジメントの体系を整理すると、以下のとおり整理することができます。
『リスクマネジメント』(広義)といっても、そこには、

① 潜在的なリスクに対応する『リスクマネジメント』(狭義)と、
② 顕在化したリスクに対応する『クライシス / イシューマネジメント』

の2つがあります。

一般的に『リスクマネジメント』(広義)といって思い浮かぶのは、後者の顕在化リスクに対応する『クライシス / イシューマネジメント』ではないでしょうか。

これは、簡単に言ってしまえば、リスクが顕在化して発生してしまった危難や問題に対して上手く対応し、企業の損失や損害を、どれだけ小さくすることができるかということです。

しかし、事後対応の場合、

一般的には、そこに費やす時間も、労力も、コスト・費用も、事前対応よりも膨大なものとなってしまい、時には、コスト・パフォーマンスに見合わないけど、対応せざるを得ないといった事態も生じます。

そのような事態とならないようにするために、リスクが潜在化しているときから上手く対応し、後から大きな損失・損害を被らないように対処しておく『リスクマネジメント』(狭義)が重要となってくるのです。

いくらお金を稼いでも、財布に穴が空いていたり、財布が壊れかかっていたりしていて、稼いだお金が流出してしまっては意味がないですし、

流出しないように応急措置を講じたり、流出してしまったお金を回収しようと思ったりしても、それを行うのは、かなり大変です。

どんなに大金を稼いだとしても、それを流出させずに、しっかりと懐に確保しておくことができなければ、本当の意味で「稼いだ」ということにはなりません。

稼ぐための『リスクマネジメント』とは、「ビジネスから得られた利益を確保して、本当の意味で稼いだという状態にすること」です。

さらに、先を見越して戦略的にリスクマネジメント(狭義)を行うことで、より利益を得られるビジネススキームを構築することができ、稼ぎ方も変わってくることになります。
この点は、最初から取り組まないと、後から変更することが難しい場合もあります。

『リスクマネジメント』(狭義)、侮れません。
売上を上げて、稼いで、ビジネスを大きくするためには、必要不可欠なものなのです。
 
 

プロフィール

法律事務所きがわ|Kigawa & Co.
代表弁護士/CEO 木川 務


1998年3月、明治大学経済学部政治学科卒業。
2002年11月、司法試験(旧試験)合格。
2004年9月、司法修習終了(第57期)。


星野綜合法律事務所(現K&L Gates外国法共同事業法律事務所)、東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー&マッケンジー外国法事務弁護士事務所(現 ベーカー&マッケンジー法律事務所)を経て、2012年4月より伊藤忠商事法務部に勤務。


2016年4月より、アクセンチュア法務部に勤務し、2017年3月、法律事務所きがわを設立。 代表弁護士/CEOに就任し、現在に至る


〝ビジネスに安心感を与え、企業価値を共創し、持続的な繁栄をもたらす〟


先を見越す洞察力を駆使し、プロアクティブ・リスクマネジメント(Proactive Risk Management)についてのアドバイスを提供することにより、安心してビジネスを行うことができるようサポート致します。


また、外部のアドバイザーではあるものの、第三者的立場においてビジネスの外からのアドバイスに終止するのではなく、クライアントに寄り添い、その立場に立ち、その目線において、ビジネスを『共創』する”価値共創パートナー”(Co-creating Partner)として、アドバイスを提供致します。


そのため、私たちは、最初から「ノー」と否定したり、消極的・保守的なアドバイスに終止したりする思考をせず、『クライアントの目的の達成や目標・要望の実現のために、多角的な検討により法的限界を見極めて、前向きかつ積極的なアドバイスを創造する』ということを基本姿勢としています。

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