「組織とひと」のRe:Design 〜働き方と生産性を革新する〜

第2回

情報化社会の終焉

小林 広治 2019年9月9日
 

情報化社会の終焉


今回の主な論点

①情報化社会は終わった。

②そのわかりやすい根拠の1つは、携帯電話の普及率。

③情報インフラが完成した結果、ほぼ無料で、いつでも・誰でも・どこでも、情報を受発信できるようになった(「情報の民主化」の完成)。


情報化社会の終焉


「情報化社会は終わりました。」


こう言われて、あなたは、何と答えるでしょうか? 私は、1年ほど前にそれに気付いてから、2017年4月現在まで、私の講演、セミナー、勉強会など機会があるたびにこれをお伝えしてきましたが、理解できている、実感している、共感できる、と手をあげてくださった方は過去3人しかいません


なので、もしあなたがまだその実感がなかったとしても、驚く必要も、心配する必要もありません。


では、説明します。私がその根拠としているデータはこちらです。


99.7%


これは、なんの数字だと思いますか? 実は、2016年現在の世界の携帯電話の普及率になります。


私は、この数字を聞いたとき、正直驚きましたがみなさんはいかがでしょうか? 想像していたよりも遥かに高い数字だったからです。


そして、この数字が意味するところの本質を考えたときに、「情報化社会の終焉」したことを理解しました。

2016年現在の世界の携帯電話の普及率

出展:ガベージニュース

※補足:その後、2017年現在本数値は103.5%に増加しています。


これが意味するところをそのまま捉えると、世界中の人たちのほぼ全員が携帯電話という端末を通じてインターネットというインフラに繋がった、ということになります。


もう少し分かりやすく言うと、


「ほぼ無料で、いつでも・誰でも・どこでも、情報を受発信できるようになった。」


ということです。つまり電気、ガス、水道、道路などの社会的インフラと同じように「情報インフラ」が完成した、ということになります。


これが「情報化社会」が終った、と私が言う根拠になります。但し、こう結論付けるためには、まず「情報化社会とは何か?」を定義する必要があります。


そのために、まず情報化社会の前の時代「工業化社会」について考えてみましょう。「賢者は、歴史に学ぶ」です。


「工業化社会」とは、それまでは職人が手作業でやっていたことを、大規模な生産工場をつくり、大型の機械を導入し、自動化を進め、よりスピーディかつ正確にモノを大量生産することで、ビジネスを拡大した時代です。つまり、


photo

「工業化社会とは、工業化することが付加価値を生んだ時代」


と言えます。そして、圧倒的な生産力により、モノの製造コストを最小化し、結果的に多くのモノが安価になり、今まで購入できなかった人たちでも色々なモノが買えるようになりました。


そして、いま私たち一般庶民が手にしているモノや、口にしているモノの多くは、200年前の貴族や王族が手にしていたモノ、口にしていたモノよりも遥かによいモノになりました。


つまり、モノという視点から見れば、貴族や王族と一般庶民とを同じレベルにした、と言えます。これは「モノのフラット化」、つまり「モノの民主化」です。


これが、「工業化社会」が人類に与えた大きな貢献の1つです。そこで、それを踏まえて工業化社会をもう一度定義しなおすと、こうなります。


 

「工業化社会とは、工業化することが付加価値を生み、モノの民主化を実現した時代」


そして、「工業化」することだけでは付加価値を生み出せなくなり、モノが民主化した時点で、「工業化社会」はその歴史的責任を終えたことになります。そして、それとほぼ同時に始まったのが「情報化社会」です。


先ほどの「工業化社会」と同様に「情報化社会」についても定義してみると以下のようになります。


 

「情報化社会とは、情報化することが付加価値を生み、情報の民主化を実現した時代」


情報化社会が終わったことを主張している私なので、ここは敢えて過去形にしてみているわけですが、事実、振返ってみると、情報化社会では、単にアナログをデジタルに置き換えることで十分付加価値を生み出すことができました。


ちなみに、先ほどから何度か使っている「付加価値を生む」という言葉は、つまり「ビジネスになる」「儲かる」という意味だと思って頂ければと思います。


アマゾンも、グーグルもやっていること自体なんら新しいことではなく、はじめのころは基本的にアナログをデジタルにすることで付加価値を生み出してきた企業、つまりビジネスにしてきた企業だったわけです。


そして、「情報化」が進むことで、いままで情報を独占的に扱ってきた一部の既得権層(持つもの)、例えば国家やメディア、大企業や経営者と、一般庶民(持たざるもの)の情報がフラット化していきます。


そして、携帯電話が全世界に普及したことで、「ほぼ無料で、いつでも・誰でも・どこでも、情報を受発信できる」ようになりました。これにより、情報はガラス張りになり、「情報のフラット化」つまり「情報の民主化」が完成したことになります。


つまり、「情報化することで付加価値を生み、情報の民主化」進めてきた情報化社会は、「ほぼ無料で、いつでも・誰でも・どこでも、情報を受発信」するための「情報インフラ」が完成したことで、歴史的なその役目を終え、時代は新たな次のステージに入ったことを意味します。


そして、単に「情報化」するだけで、付加価値を生みだせた時代は終わり、また「情報の民主化」がほぼ完成したことで、「情報を持っている」ということだけではその優位性は維持できなくなったわけです。


では、これからは何が起こるのでしょうか? これについては次回お話できればと思います。


 

「いきいき!わくわく!働ける未来」のために。


ご参考になれば幸いです。


以上、キズナキャスト小林でした。

 
 

プロフィール

株式会社キズナキャスト
代表取締役 小林 広治



1996年3月 早稲田大学理工学部卒。
1999年7月創業、2000年4月に法人化し代表取締役に就任、現職。長野県出身。46歳。(2019年1月)


HP:株式会社キズナキャスト

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