価格競争から脱出。 ブランディングのレシピ

第5回

価格の決め方 ~プライシングのポイント~

 

プライシング(価格設定)は、ビジネス展開においても重要な戦略ですし、その商品/サービスのポジショニング(第4回のコラム「ポジショニング戦略」ご参考ください)にも関係してきます。ブランディングについて考えている時に価格設定を議題にすると、単に価格を高く設定すると勘違いする方も多くいらっしゃいます。

「ブランド力を上げるのだから、そのぶん高くしても売れるんじゃないの?」
これは、ブランドについて一面的に覚えてしまった勘違いです。ブランディング=価格を高くすることではありません。ブランド力が高まれば、たしかに値下げ競争からは脱出できます。ですが、それは自らの提供したい適正価格で受け入れられ、お客さんに選ばれるだけのことです。

価格設定でやってはいけないこと?

「競合と比較して」「顧客の声をきいて」「売上検証しながら調整して」「あまり考えてないかな」・・・
価格を決める上で、検討すべきことは様々あります。ただ、やってはいけないこともあります。それは、安易に競合商品/サービス価格帯の中間、平均に設定することです。「そんなことしないよっ」と思われるかもしませんが、実際には多くの企業がこの価格設定をしてしまっています。
「価格は他社と変わらず(もしくは少し安く)、だけどサービス、品質は上です」
「価格は一緒ですが、一度試してもらえばわかります」
聞いたことある気がしませんか。
これでは、お客さんに選ばれません。

ブランディング観点からのプライシング

プライシングは、メッセージです。
まず第一にやることは、お客様に、自社の商品/サービスが何を大切にしているかを伝えるメッセージを決めることです。価格に意味、意志を入れて約束することがブランディング戦略におけるプライシングです。単なる競合比較ではなく、価格に対して責任を持った約束と説明、そしてそれを望むお客さんへのメリットを感じてもらえる価格の提示。ブランドイズムが徹底されたプライシングは価値との整合がとれているので、お客さんも選び易くなります。

ノウハウ・メソッド

「あなたの商品/サービスは、高いと思いますか? 安いと思いますか?」
この質問に対して、自社の考え方をハッキリと答えられることがプライシングでは重要です。先ほど例に上げた安易に中間、平均に価格設定した場合、この質問には答えられませんよね。この価格が適正かどうかは、お客様には判断することはできません。
『競合が値段を上げたら、あなたの会社も値段を上げるんですか?』 こんな質問をお客さんにされたら・・・

本来、「価格」はお客さんにとって分かり易い判断材料です。
だからこそ、競合比較からの設定ではなく、自社の意志を反映させなくてはなりません。そうすることでお客さんに対する約束が確立され、ブランド力向上にもつながります。

次回は、「お客さんが他社でなく御社を選ぶ理由について」です。選ばれるための訴求ポイントの磨き込みについてお伝えします。

 
 

プロフィール

パートナーオブスターズ株式会社
代表取締役 星野 善宣

1979年生まれ、新潟出身。北海道大学工学部卒業後、大手専門商社にて海外(アジア市場)営業、中小企業向けコンサルティングファームにて業務変革、組織リストラクチャリングに従事。2007年1月パートナーオブスターズ株式会社設立、同社代表取締役。 スタートアップ/ベンチャー企業支援に特化した成長支援サポートサービス(ブランディング、広報PR、顧問サービス等)を提供。


地元新潟のベンチャーキャピタル取締役を2016年より兼務し、スタートアップによる地方創生にも取組む。


HP:パートナーオブスターズ株式会社

キーワードからコラムを検索する