NY発:文化と言葉の壁を越えて” 伝わる”ロジカルスピーチ術

第27回

スピーチ後も強い印象を持続させる4つのステップ

リップシャッツ信元夏代 2019年7月18日
 

このコラムで何度か、7秒ー30秒ルールのお話をしてきました。
スピーチをする際、最初の印象が全体の印象を決める、というものです。はじめの7秒で話し手の印象が決まり、30秒で、話の内容が聞くに値するかどうか判断されるのです。
それだけのインパクトがあるオープニングは、綿密に戦略的に作りこむ必要があるわけですが、クロージングはどうでしょうか。「はじめ良ければ終わりよし」とも言われますが、スピーチにおいては当てはまりません。


「リーセンシー効果」をご存知でしょうか。普段は広告に関して使われるコンセプトで、直前に接触した広告が購買行動に影響を与える効果、のことを言います。
つまり、人は、最後・最近に聞いたことが、もっとも印象や記憶に残る、ということです。これがスピーチにも当てはまるのです。


スピーチのクロージングでも、いかに明確なメッセージを投げかけ、印象に残すかが非常に大切ということです。


今回は、スピーチが終わった後も、「あのスピーチは心に残っているな」と好印象を持続するための、クロージングの4つのステップについて解説します。


STEP1: シグナル


クロージングに入る前に、「もうすぐ終わりが近づいている(だから大切なメッセージが続きますよ。注目してください!)」、というシグナルを送ります。ただし、「In Closing」、「最後に」、などのありきたりなシグナルでは面白くありません。もう少しクリエイティブに興味を引きましょう。


たとえば、「Let’s wrap things up」、「As we come to the end of the road」、「I’m leaving you with this」、「本日の内容を振り返ってみましょう」、「皆さんとの時間も終わりに近づいていますが」などです。


STEP2: コールバック


スピーチの中で話したポイントを簡潔に要約します。重要なポイントがいくつかある場合には、「3つのA」、「SMARTゴール」、など、頭文字などを使って覚えやすく表現することも一つのコツです。


もしインターアクティブな場なら、このポイントを、聞き手に言わせるように仕向けてみるのも効果的です。


STEP3: Q&A


多くの講演会やセミナーはQ&Aで終了します。しかしブレイクスルーでは、Q&Aで終了するのはNGパターンである、とお伝えしています。なぜでしょうか?


前述のリーセンシー効果を思い出してください。
伝えるべきメッセージが、一番最後にインパクトを与えるメッセージでないといけないからです。Q&Aの時間を設けるのは大いに結構ですが、そこで終わってしまわないことです。優れたスピーチのクロージングには、あともう1ステップ残っています。


STEP4: Lasting Anchor-碇を下ろす


クロージングに入るというシグナルを出し、話した内容の重要ポイントにコールバックし、Q&Aの時間を設けたら、持続する印象づくりが最後のプロセスです。最大限インパクトを与え、心に定着させるために、「碇」を下ろすようなイメージです。


そのためには、短いファイナルストーリーを語ることが効果的ですが、スピーチの全体でもストーリーを語っていたことでしょう。したがって、クロージングに持ってくるファイナルストーリーは、無駄を徹底的にそぎ落とし、簡単・簡潔・簡明でなければいけません。更に、最後にもうひとつのストーリーを聞いてもらうには、ファイナルストーリーを語る前に、簡単なTeasingをするのが効果的です。例えば、


「今日は4つのRについてお話しました。○、○、○、○です。しかし実は最後にもうひとつ、とても重要なRが残っているのです」


というようなイメージです。このようにTeasingをすることで、聞き手は次に発せらるメッセージに注目し、最後の最後まで興味を持続させることができるのです。

 
 
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リップシャッツ信元夏代
アスパイア・インテリジェンス 代表
ブレイクスルー・スピーキング 代表


早稲田大学商学部卒。ゼミ専攻は「異文化コミュニケーションとビジネス」。NYUにてMBA取得。1995年に渡米後、伊藤忠インターナショナルに鉄鋼・紙パルプ業界の営業・事業開発に携わる。その後マッキンゼーを経て、2004年に、戦略コンサルティング会社のアスパイア・インテリジェンス社をNYに設立。2015年にはブレイクスルー・スピーキングを設立し、グローバルに活躍したい日本人のためのパブリックスピーキングのE-learningプログラムや企業内研修を中心に、個人コーチングなどを行っている。


トーストマスターズインターナショナルの国際スピーチコンテストでは、日本人初のNY大会優勝3連覇を果たしたほか、世界で100名強しかいない、World Class Speakingコーチに唯一の日本人として認定される。世界的権威者、ブライアン・トレーシーらと共に共著した「The Success Blueprint」は、アマゾンの2016年ベストセラーに。2015年にはTEDxTalkに登壇している。


BREAKTHROUGH Speaking:http://www.btspeaking.com

ASPIRE Intelligence:http://www.aspireintelligence.com

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