あなたの夢を叶える事業の作り方「ビジネス成功の5サークル」

第1回

ミッションを中心に事業をつくる

一般財団法人 立志財団  坂本憲彦

 
 「ビジネスは難しい」こう悩んでいる起業家や経営者は多いと思います。

 私もサラリーマンを辞めて起業してから10年が経ちましたが、沢山の問題にぶつかってきました。

 起業前は、起業のリスクに対する不安や、行動できない、決断できないといった問題がありました。起業後は売上や利益の減少、スタッフの不満、経営幹部との軋轢、自社のビジョンが不明確など多くの問題が降りかかってきました。その都度、目の前の問題に全力で対応してきました。

 ただ、次から次へと問題がやってきて、問題がなくなることは決してありませんでした。そして、ある時、私は行動ができなくなりました。自分が何かを決めて行動しても、どこかから反発が来る。そんな状態になり、どう行動していいか分からなくなってしまったのです。

 こういった行動できなくなるという現象は、どんな起業家・経営者の方にも起こる可能性があります。今まで、自分の思うようにビジネスを進めてきたけど、ふっと立ち止まってみて、これからどの方向に進んでいいか分からない。そんなことはよくあります。行動できないとか、どの方向に進んでいけばいいか決断できないときに、起業家が指針にするもの。それがミッションです。

 ミッションとは、自分の人生の目的です。自分はどんな人生を歩みたいのか?どんな仕事をしていきたいのか?どんな人を幸せにしていきたいのか?自分の人生の目的を考え、一言で表したのがミッションです。会社では、理念や社是と言ったりします。ミッションとは、自分の一番大切な価値観であり、軸であります。

 自分のミッションが定まることで、様々な問題に対する意思決定の軸ができます。人が行動に迷ったり、方向性に迷ったりするのは、自分の中の軸がはっきり定まっていないからです。

 その場その場で、場当たり的な判断で意思決定を行っていると、一貫性がなくなり、何をしていきたいのかが見えなくなります。それが、自分のミッションという一つの基準で、すべての物事を判断するということで、自分の行動に一貫性が出てきます。そうすることで、色々な問題に対応していても自分の方向性を見失うことがないのです。

 自分のミッション=人生の目的を中心軸にする。こうすることで、あなたの事業の中心軸が定まり、どんな問題が来ても、迷いなく意思決定を行なうことができます。次回以降は、さらにミッションについて掘り下げ、ミッションを中心にしたビジネスをどのように作っていけばいいのかをお話していきます。


2016年1月6日 フジサンケイビジネスアイ掲載
 

プロフィール

株式会社ナレッジアクション
代表取締役 坂本憲彦


ビジネストレーナー。
銀行を退職後、30歳で起業し複数の事業を立ち上げる。
その経験をもとに77業種2000名以上の起業家・経営者の指導を行う。
「ビジネス教育で人々を幸せに」を理念に、起業家育成を行う坂本立志塾を主宰している。


Webサイト:一般財団法人 立志財団

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