はじめての起業 成功の秘訣

第6回

ビジネスを失敗させない「価値提供」の考え方

坂本 憲彦 2020年1月22日
 

※本コラムは、立志財団の森川応樹氏によるインタビュー形式にて掲載しております。



森川:今回も坂本先生の著書の内容から聞かせていただきます。

今回は、コアコンセプトの2つ目の構成要素「何を」について伺います。これは一体どういうものでしょうか。


何を売るのかということは、どんな変化を提供するのかということ

坂本:「何を」というのは、まず「何を売るのか」です。誰に対してどんな価値提供をしていくのかということですね。

商品、サービス、コンテンツなどいろいろなものがありますが、一番大事なのは、どんな変化を提供するのかというところです。

その商品をお客様が手に入れることで、どんな状態からどんなふうに変化するのか、ということですね。

なぜ物を買うかというと、シンプルに言うと変化が欲しいわけです。例えばお腹が空いたという現状に対して、それを満たすためにお金を払うんですね。

どんな価値を提供するのか、これが「何を」です。


森川:価値は人によって違うので、万人受けするものはなかなかないと思いますが、「誰に」に対してぴったり合うものを「何を」に設定するということでしょうか。


ターゲットが何に困っているか、何に悩んでいるかを考える

坂本:そうですね、ターゲットになる人が何に困ってるのかです。

ビジネスには「悩みごとを解決する」と「あったらいいなっていうものを提供する」の2つがありますが、要求として強いのは「今困っていることを解決する」ですので、こちらの方が最初はビジネスになりやすいですね。

ターゲットとなる人が「何に困ってるのか」「何に苦しんでるのか」「何に悩んでるのか」を、どういう形で価値提供をして、どういう変化をもたらし、

どんな手段で提供し、どの価格で提供し、それは払いきりなのか継続課金なのか、というふうに、いろいろな提供の仕方があります。


森川:起業される方が「何を」を考えるときのポイントは何でしょうか。


自分の得意なサービスで感動価値を提供する

坂本:自分が得意なパターンで提供できるものを提供する、自分の強みを生かすといいと思います。

他人をそっくり真似するという方法もありますが、はやり自分なりにどういう風に価値提供をしていくのかを考えてやっていくといいですね。

また、実質価値ではなく、感動価値を提供することを考えます。

実質価値というのは、ただ物を提供しただけの価値です。感動価値とは、それを買うことでお客様が非常に喜ぶ、感動レベルでお客様が喜ぶというものです。

感動価値を提供できるものは何かを、ここで追求していくと非常にいいでしょう。


森川:うまくいってる人とそうではない人で、考え方の違いはありますか。


どんな変化を得られるかをシンプルに伝える

坂本:やはり「何を」があいまいな人は、どんな変化を提供するかをシンプルに伝えきれませんね。


森川:シンプルに伝えきれない?


坂本:コアコンセプトを突き詰めていくと、すごくシンプルになっていきます。

例えば、私の受講生に結婚指輪を売っている人がいます。その結婚指輪は、金属アレルギーの対策の指輪なんです。

実は、以前はレアメタルで作る指輪として売っていましたが、あまり売れませんでした。そこで、「何を」を金属アレルギーの指輪にしたところ、売上が10倍になったという実績があります。

何をどういう価値を提供するのかというのは非常に大事で、このように見せ方を変えるだけでも全然変わります。


森川:その商品やサービスでどんな変化を得られるのかがシンプルでわかりやすいかどうかで、非常に大きな違いが出るんですね。


坂本:そうですね、やはりどんな変化を与えられるを伝えられるかどうかが、非常に大事です。


自分が生涯をかけてやりたいと思える仕事ならうまくいく

森川:「何を」に悩む起業家が多いと思いますが、どのように考えると答えが見つかりやすいでしょうか。


坂本:自分軸から考える、つまり、自分の生涯の仕事になるものかどうかを考えることは、すごく大事だと思います。

自分がその商品を一生かけて売ってもいいと思えるかどうかです。一度その視点で考えてみるといいと思います。

起業をすると自由になります。あまり興味がないものをやるのも自由だし、めちゃくちゃ興味あるものをやるのも自由です。

どっちがうまく行ってるかどうかというと、やはりその商品にめちゃくちゃ興味ある人っていうのはうまくいっていますね。


儲かるビジネスでも興味がないと続かない

坂本:転売のビジネスやってる方の話です。その方に転売ビジネスを教えてくれた先生は、秋葉原で売っているようなフィギュアを専門にしていました。それを見て、フィギュアの転売が儲かりそうだと思ってビジネスを始めたのです。

最初はそこそこ儲かっていましたが、自分はそんなにフィギュアが好きじゃないと、ある時気づいたんです。

その先生は、すごいディープな世界でフィギュアがめちゃくちゃ好きなんです。だからその価格にも詳しいし、こういうものはいい値段が付くとか、これはもうちょっと安くなるとか、もう感覚でわかっちゃうんです。

単に儲かるからだけではなかなか続きませんね。本当に心底好きで、ずっとやっていても全然飽きないというものをビジネスにするのが大事だと思います。


森川:そうですね。きっかけでビジネスをされてる方と、本気で打ち込んでてなおかつそれが苦じゃないっていう方と、同じ商品を扱っていても雲泥の差を感じますね。突き詰めると儲かりそうという市場軸だけではなく、自分軸も大事で、その2つがないと本当にいいものを提供できないですね。


坂本:その両輪がとても大事ですね。市場軸と自分軸がちゃんとマッチするところが、一番良い「何を売るのか」という部分になります。


森川:今回もありがとうございました。


坂本:はい、ありがとうございました。


Podcastの音声はこちらよりご視聴ください

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/1000425614647/id1438479025?i=1000425614647

 
 

プロフィール

一般財団法人 立志財団
理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役 坂本 憲彦

起業家教育の専門家。
1975年、和歌山県生まれ。
一般財団法人 立志財団 理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役。

下関市立大学を卒業後、西日本シティ銀行に入行。6年間、法人・個人向けの融資や営業を担当する。30歳で独立し、ビジネススクール、速読講座、飲食店、貸会議室などを立ち上げ年商5億円まで成長させる。また、10年以上にわたり、1万人以上の起業家の指導を続けている。

自社開催の起業教育セミナーは500回以上開催し、延べ1万人以上が参加。富士ゼロックスやメットライフ生命、商工会議所、倫理法人会などの法人向けにもセミナーを開催しており、パソナ創業者南部靖之氏との講演実績もある。
「すべての人を真に導く」を真の使命として志ある起業家の育成に全力をかけて邁進している。起業家育成の活動の一環として2017年9月、一般財団法人立志財団を設立。2017年12月には実務教育出版より書籍『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』を出版し、1.1万部のベストセラーとなる。

HP:一般財団法人 立志財団

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