イノベーションズアイ BtoBビジネスメディア

はじめての起業 成功の秘訣

第12回

会社を辞めずに起業してみる

一般財団法人 立志財団  坂本 憲彦

 

※本コラムは、立志財団の森川応樹氏によるインタビュー形式にて掲載しております。



森川:今回も坂本先生の著書「6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する」の第4章「起業してから困らないリスクコントロールの方法」から伺います。

この中で、会社を辞めずに起業してみるということを書かれていますが、詳しく教えていただけないでしょうか。


坂本:はい、ありがとうございます。会社を辞めずに起業するっていうところは、リスクコントロールの中でも非常に大事だと思います。

起業リスクで一番皆さん不安になるのが、やはり収入がなくなったらどうしよう、ということですね。


会社に勤めながらでも起業はできる

坂本:これはもう誰しもが当然思うところです。私の所にもよくサラリーマンの方が来られますが、私はいきなり会社辞めて起業する必要はないと実は思っています。

ただ私自身はいきなり会社辞めてしまいました。本当に何もない状態で福岡から東京に出てきて転職活動に失敗して、そこから起業塾に入って起業しました。会社を辞めてから起業してよかったと感じていますが、万人にお勧めはしません。

本当にチャレンジ精神があってやってみるという方は、トライしてみるというのも一つだと思います。しかし、そうではないタイプの方も多いと思いますので、その時は会社勤めしながら、まずは週末起業みたいな形でできないかを考えます。

週末の時間をフルに使えばけっこう時間を使えるので、週末起業からやっていくという方法が一つあります。

もう一つとしては、会社をいきなり全部やめるのではなく、会社と個別に業務委託契約のような形にして、週3〜4日の勤務にしてもらうことはできないかと会社と交渉してみるという方法があります。

会社である程度の実績が出せるようになってくれば、フルに週5日間会社にコミットしていなくても、同じ成果が出せるという人もいるでしょう。そういう場合は、会社と交渉して業務委託の契約のような形にして、週3〜4日の勤務にしてみます。会社の収入は減りますが、最低限の収入は確保した上で、残りの週3〜4日を自分のビジネスにかけていくという方法は、とてもいいと思います。


昔と比べて起業しやすい環境になっている

森川:特に最近は、働き改革などがニュースで報道されていますね。モデル就業規則を厚生労働省の方が見直すという話もありますから、先生が提案された方法は、非常に受け入れやすくなっているのではないかと感じます。


坂本:そうですね。国としても労働時間を減らそうとしているし、働き方の多様性を国も含めて推進してるところなので、そういう意味では昔と比べてすごく起業もしやすい環境かなと思います。

昔は、ちゃんと週5日勤務して会社に一生を捧げるというのが、基本スタイルだったでしょう。今は会社も一生面倒見れるわけではないので、自分の会社だけに固執してもらうというよりも、そうやって自由に働いて外でも稼いでもらった方がいいと、おそらく会社自体も思ってるでしょう。ですから、自分から主体的に働き方を交渉してみるというのも一つなのかなと思います。


森川:例えばご家庭を持っている方のように、事情があって毎月これだけの収入がなければ起業は難しいと不安な方にとっては、起業の一歩を非常に踏み出しやすくなるアドバイスですね。


坂本:やっぱり収入が0か1かとなると難しいのですが、その間をとって、収入も確保しながら自分のやりたいことも実現していくという方法が、今からの時代ではかなり現実的ではないでしょうか。今の会社で週3〜4日勤務という働き方ができなければ、同じような業種でそういう働き方が出来る会社に転職するのも一つですね。

意外と今は人手不足なので、企業としても社員にいきなり辞められてしまうのは厳しいのです。同じ能力の人がすぐに採用できればいいのですが、そうはいきませんので、交渉もしやすいのです。


仕事と起業の両立は能力アップにつながる

坂本:週3〜4日勤務という働き方にすることで、自分自身の能力アップというメリットも実はあります。


森川:能力アップですか。


坂本:はい。今まで週5日で出していた成果と同じ成果を週3日で出せないか、と考えるからです。

自分の能力を高めるためにこの状況を活用できると、より良い効果の出し方、仕事のやり方が変わってくると思います。


森川:そうですね。


坂本:ある程度その仕事に慣れている方であれば、同じ成果をもしかしたら週3日でも出せる可能性があるのです。

なので、そういう仕事のやり方をしていくことで、自分の仕事力やビジネス力の向上にもつながっていくということです。

すると、もしかしたら勤務時間を減らしても給料は減らないかもしれません。


森川:そうですね。いずれにしろ世の中的に残業時間減らすことを求められていますからね。


坂本:その会社に10〜20年働いてるのであれば、仕事のクオリティを目指していかないといけません。すっと同じ仕事をしていてもクオリティは上がりません。逆にそれくらいの負荷をかけることで、仕事力も上がり、さらに自分の時間も増えるというサイクルになるかもしれません。


森川:よいことづくめですね。


坂本:そういう意味でも、仕事時間を減らして、今まで以上の成果を出そうとすることは、自分のライフスタイルにもいいですし、起業にもプラスになると思います。


森川:今回の内容は、今普通に会社員として働かれている方にとっては、起業に向けて現実的に一歩踏み出しやすくなるお話でした。

これからもよろしくお願いいたします。


坂本:はい、ありがとうございます。


Podcastの音声はこちらよりご視聴ください

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/1000428263512/id1438479025?i=1000428263512


 

プロフィール

一般財団法人 立志財団
理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役 坂本 憲彦

起業家教育の専門家。
1975年、和歌山県生まれ。
一般財団法人 立志財団 理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役。

下関市立大学を卒業後、西日本シティ銀行に入行。6年間、法人・個人向けの融資や営業を担当する。30歳で独立し、ビジネススクール、速読講座、飲食店、貸会議室などを立ち上げ年商5億円まで成長させる。また、10年以上にわたり、1万人以上の起業家の指導を続けている。

自社開催の起業教育セミナーは500回以上開催し、延べ1万人以上が参加。富士ゼロックスやメットライフ生命、商工会議所、倫理法人会などの法人向けにもセミナーを開催しており、パソナ創業者南部靖之氏との講演実績もある。
「すべての人を真に導く」を真の使命として志ある起業家の育成に全力をかけて邁進している。起業家育成の活動の一環として2017年9月、一般財団法人立志財団を設立。2017年12月には実務教育出版より書籍『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』を出版し、1.1万部のベストセラーとなる。

Webサイト:一般財団法人 立志財団

はじめての起業 成功の秘訣

同じカテゴリのコラム

イノベーションズアイに掲載しませんか?

  • ビジネスパーソンが集まるSEO効果の高いメディアへの掲載
  • 商品・サービスが掲載できるbizDBでビジネスマッチング
  • 低価格で利用できるプレスリリース
  • 経済ジャーナリストによるインタビュー取材
  • 専門知識、ビジネス経験・考え方などのコラムを執筆

詳しくはこちら

お役立ちコンテンツ

  • 弁理士の著作権情報室

    弁理士の著作権情報室

    著作権など知的財産権の専門家である弁理士が、ビジネスや生活に役立つ、様々な著作権に関する情報をお伝えします。

  • 産学連携情報

    産学連携情報

    企業と大学の連携を推進する支援機関:一般社団法人産学連携推進協会が、産学連携に関する情報をお伝えします。

  • コンサルタント経営ノウハウ

    コンサルタント経営ノウハウ

    コーチ・コンサルタント起業して成功するノウハウのほか、テクニック、マインド、ナレッジなどを、3~5分間程度のTikTok動画でまとめています。

  • 補助金活用Q&A

    補助金活用Q&A

    ものづくり補助金、事業再構築補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金及び事業承継・引継ぎ補助金に関する内容を前提として回答しています。

  • M&Aに関するQ&A

    M&Aに関するQ&A

    M&Aを専門とする株式会社M&Aコンサルティング(イノベーションズアイ支援機関)が、M&Aについての基本的な内容をQ&A形式でお答えします。

おすすめコンテンツ

商品・サービスのビジネスデータベース

bizDB

あなたのビジネスを「円滑にする・強化する・飛躍させる」商品・サービスが見つかるコンテンツ

新聞社が教える

プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。