経営におけるデザイン活用

第5回

価値を伝える

待谷 忠孝 2019年11月6日
 

顧客の判断基準

商品やサービスが複数あった場合、顧客はどこを見て選択すると思われますか?

それはズバリ競合の製品との共通点ではなく、相違点です。


当たり前のことだと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、では貴社の商品・サービスは、見込み客に対して競合との差異をちゃんと伝えていますか?


M・ポーター(1998)は、競合他社を上回る業績は、競合他社の間に維持可能な差異を確立できたときに始めて達成されると述べています。

言い換えると、競合との違いや価値が、ステークホルダーに正しく伝わって、初めて差別化が達成します。

Webサイトの文章で、カタログで、または営業担当者が口頭で説明するだけで良いのでしょうか?

顧客から質問された時に、違いを説明するだけで良いのでしょうか。

価値を伝える手段

企業は、社会・市場・顧客に対して自社の情報や独自性、イメージなどを伝えるためメッセージの発信を行います。

これは消費者向け製品・サービスを取り扱っている企業に限らず、事業者向け製品・サービスを取り扱っている企業も同様です。


メッセージの発信に対して、様々な手段を取ります。

会社案内や名刺、パンフレットのように紙に印刷する場合もあれば、Webサイトのように電子的手段もあります。

また、付加価値を提供するために具現化したものが製品と言えるでしょう。

これらは全て企業と社会・市場との接点です。


また、コンタクトパーソネルも顧客との接点です。

従業員に対する理念や戦略の周知、組織の体制や仕組みづくりも差別化を図るためには必要になります(従業員や組織に関することは本コラムのテーマからは外れるため割愛します)。

提供価値との適合

ビジネス街になら、サラリーマンが昼食に、あるいは夜に飲みに行くような手ごろな価格帯の中華料理店があると思います。

店の外観はいかがですか?中華料理店だと分かるものではありませんか?

高級な宝飾店にも、歯科医院にも、薬局にも見えないはずです。


このように、一般消費者向けの店舗であれば自身の価値を当然のように伝えています。

では、事業者向けのサービスをされている事業者様はいかがでしょうか?

メッセージとして伝えてたい内容とデザインはきちんと適合していますか?


例えば、現在使用している名刺は受け取った相手に対して伝えたい貴社の付加価値をきちんと伝えるデザインでしょうか?

名刺のロゴを変えたら他の会社の名刺としても使えるデザインであるというのであれば、それは貴社の名刺ではありません。

これは、名刺以外の他の手段、パンフレットやwebサイトなど、およそ視覚に対して訴求するもの全てにおいて言えることです。

結論

文章、会話などの種類を問わず、言葉によるメッセージの効果は大きいです。

しかし、メッセージを伝えるには、ターゲットに読んでもらえること、聴いてもらえることが前提です。

そして、活字よりも全体のデザインの方が先に相手の視覚に刺戟を与えます。


特に、サービス財は形がありませんので、何らかの形で価値を伝える必要があります。

デザインが付加価値に適合したものでないと、伝えたい相手にきちんと価値を伝えることができません。


競合との差異や付加価値をきちんと伝えるためには、適切なデザインの活用が必要です。

 
 

プロフィール

AM Consulting
待谷 忠孝


1975年生まれ
大阪府堺市出身
中小企業診断士


広告宣伝業界で主にwebデザイナーとして従事している際に、
 ①webサイトを部分最適しても、経営そのものに与える影響が小さいこと。
 ②企業は付加価値を訴求するためにデザインをうまく活用できていないこと。
 ③下請けの中小企業の努力がなかなか報われていないこと
以上を目の当たりにし、制作会社のデザイナーではこれらの解決が
できないと思ったため、経営コンサルタントを目指す。


中小企業診断士の資格取得後は経営コンサルタントとして、
主に企業の経営戦略面や訴求面の支援を行いながら、
中小企業が発展・成長するための差別化戦略と、
経営におけるデザイン活用について、啓蒙活動を行っている。


HP:AM Consulting

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