経営におけるデザイン活用

第3回

レイヤーごとのデザイン活用

待谷 忠孝 2019年9月18日
 

第2回ではデザインを構成する要素(形状、模様、色彩及びそれらの結合)が、それぞれどのような効果を及ぼすかを説明いたしました。

今回は、経営戦略を「企業戦略(全社戦略)」「事業戦略」「機能戦略」の3つのレイヤーに分けて、それぞれでデザインがどのような役割を負っているのか説明いたします。

企業戦略

ポーター(1998)は、競合他社を上回る業績は、競合他社の間に維持可能な差異を確立できたときに始めて達成されると述べています。

差異を確立できた状態、つまり競合との差別化とは、提供している商品・サービスや付加価値が競合と異なるだけでは達成しません。

ステークホルダーがその差異を認識していなければ、差異が確立したとは言えないでしょう。

そのため、企業戦略のレイヤーにおいては、ステークホルダーに自社が何者であるかということを訴求するためにデザインが活用されます。

会社のロゴやコーポレートカラーは企業の理念や事業ドメインを表したデザインにします。

その他、名刺、会社案内、コーポレートサイトのデザインも、同様に企業の理念や事業ドメインを反映します。

事業戦略

個々の事業レベルにおいて競争優位性を確立するレイヤーにおいては、競争に勝つためにデザインが活用されます。

起業戦略と重複する部分がありますが、事業案内やwebサイトにおいて競合との相違点や優位性を訴求し、ブランドイメージを高めるためにデザインが活用されます。

機能戦略

事業戦略に基づいて行われる生産、マーケティング、人事といった機能別の戦略レイヤーにおいては、様々なデザインの活用のなされ方をします。

作業効率や衛生管理のために工場の床や壁の色を工夫することは一般的に行われています。

例えば食料品を扱う工場では衛生面から、壁や天井を白色する、食料品と反対の色(野菜を加工する工場であれば青系の色)にするといったように、汚れが目立つようにしています。

マーケティング面ではマーケティングミックスの4Pの内のProduct(製品)、Place(チャネル)、Promotion(プロモーション)においてデザインが活用されているのは、皆さん容易にイメージしていただけるかと思います。

Product(製品)は製品そのものだけではなく、パッケージも含まれます。

Place(チャネル)は店舗の内装、外装、制服などが含まれます。

Promotion(プロモーション)は言わずもがなですね。

職位や職級によって制服(制服の一部)を変えることもありますが、それによって従業員のモチベーションアップの効果も見込めます。

 
 

プロフィール

AM Consulting
待谷 忠孝


1975年生まれ
大阪府堺市出身
中小企業診断士


広告宣伝業界で主にwebデザイナーとして従事している際に、
 ①webサイトを部分最適しても、経営そのものに与える影響が小さいこと。
 ②企業は付加価値を訴求するためにデザインをうまく活用できていないこと。
 ③下請けの中小企業の努力がなかなか報われていないこと
以上を目の当たりにし、制作会社のデザイナーではこれらの解決が
できないと思ったため、経営コンサルタントを目指す。


中小企業診断士の資格取得後は経営コンサルタントとして、
主に企業の経営戦略面や訴求面の支援を行いながら、
中小企業が発展・成長するための差別化戦略と、
経営におけるデザイン活用について、啓蒙活動を行っている。


HP:AM Consulting

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