Withコロナ時代の営業戦略

第2回

自宅にいながら営業できる「オンライン商談」を始めよう

三浦 隼 2020年4月16日
 

おはようございます。


新型コロナの影響が日増しに大きくなっているように思います。


先日の日経でも、「大企業の4社に1社が半年で資金枯渇する」との記事がありました。


大企業でさえそんな状況なので、中小・零細企業はさらに苦しいはずです。僕の周囲でも、4月の新規営業をストップさせる企業も出てきています。

リモートワーク関連サービスは需要が急増


一方で、この状況下で大きく需要を伸ばしている会社もあります。その1つが、リモートワーク に対応するためのツールを提供する企業群です。


例えばZoom。もともと無料で使えるWeb会議システムとして世界的に広く使われていましたが、新型コロナによる外出自粛の広がりを受けて、ここ数ヶ月でDAU(Daily Active User:1日の利用者)が20倍に増えています。


同じくWeb会議システムであるSkypeやマイクロソフト社のTeams、チャットコミュニケーションツールのSlackなども大きくユーザ数を伸ばしているようです。


営業活動のオンライン化はコロナ時代の前提条件になる


世の中が「オンラインコミュニケーション」に向けて大きく舵を切り始めたという感がありますが、こうなってくると、社内会議などはもちろん、見込み客向けの新規営業についてもオンライン化を進めていく必要が出てきます。


全国的な外出自粛は少なくとも4月いっぱいは続きますし、5月以降も、いつ元に戻るかは正直見えまないといえます。仮に新型コロナの脅威が去っても、在宅ワークで業務が問題なく回ることがわかってしまった企業はそのまま在宅・リモートワークを続ける可能性がありますし、また次のウイルスがいつ現れるともわかりません。


そもそも、コロナは台風みたいな一時的な脅威ではなく、インフルエンザのように共存していかなければいけないもの、と捉える向きもあります。だから「アフターコロナ(コロナ後)」ではなく、「ウィズコロナ(コロナと)」という論調がメディアでも強まっているわけです。


そこで大前提として導入を検討したいのが「オンライン商談」です。従来型の訪問・対面営業ではなく、Web会議システムをはじめとする専用ツールを使って、非対面で完結する営業体制を作ることが重要になってきます。


アメリカでは広く浸透した営業手法


オンライン商談はここ数年で台頭してきたワードで、オンラインセールスやインサイドセールス、とも呼ばれます。要するに「会わずに営業する」というものですね。


アメリカでは広く知られた営業手法で、収益5億ドル以上の企業の売上のうちインサイドセールスによるものは2017年時点で28.8%を占め、その後も増加傾向であると経済誌フォーブスでも語られています。


もともとアメリカは国土が非常に広いので、「ご挨拶のため訪問させていただきます」といった日本的な営業がやりづらかったという背景があります。


一方、日本においては、例えば都内であれば片道30〜45分もあれば訪問できるためこうした手法が必要とされませんでした。商習慣的にも、日本は対面での営業を重んじる習慣が根強く、非対面型の営業が普及しにくかったといえます。


しかしIT企業を中心に、ここ数年でインサイドセールス・オンライン商談の需要は急速に高まっており、例えばオンライン商談ツール「bellFace」を提供するベルフェイス社では、リリースから4年で1,300社が導入するなど、非対面での営業のニーズは確実に高まってきています。


これまではIT業界や人材業界など、もともとオンラインで商談が完結しやすい無形商材を取り扱う企業が積極的にオンライン商談を取り入れてきましたが、これからのコロナの時代においては、あらゆる企業が導入を検討しなければならないでしょう。


冒頭で触れたように、4月いっぱい外出自粛のため新規営業をストップした企業も少なくないと思いますが、5月以降に関しても、従来どおりの対面型営業を十分な量だけ確保できるとは限りません。よって早急にオンライン商談をできる体制を構築しておく必要があるわけです。


オンライン商談を導入する際は環境準備から


オンライン商談を導入する際の順序としては、下図のような流れで進めるのがスムーズです。


オンライン商談体制の構築フロー


ここでいう「環境整備」は、オンライン商談のためのWebツールなどを導入する以前の、最低限の準備をしておくという意味合いです。


具体的には、次の3つです。

(1)リード(見込客)の獲得ルートの確認

(2)Wi-fiやイヤホンなどのアイテム準備

(3)営業資料の整備


1つずつ、詳しく見ていきます。


環境準備(1)リード獲得ルートの確認


まず、自社がリード(見込客)をどのようなルートで獲得してきているのかを再確認します。大別すると、アウトバウンドとインバウンドのどちらか、もしくは両方ということになります。テレアポやDM配信など、こちらから仕掛けるものがアウトバウンド、Webサイトや電話での問い合わせのように見込客サイドから連絡がくるものがインバウンドになります。


なぜこのルート確認をするかというと、オンライン商談のツール選定に影響するためです。オンライン商談に適したWebツールは現在多数の提供会社がありますが(詳しくは次回に書きます)、大きく2つのタイプがあります。


まず1つは「Web会議」を前提としたツール。上述のZoomやSkypeなどがそれに当たります。これらのツールは接続に際して、ホスト側(営業)もゲスト側(お客様)も、それぞれアカウントを持っている必要があります。


つまり事前にツールアプリをPCやタブレットなどのデバイスにインストールしておかなければならず、初めて話すことになる新規の見込客相手ではあまりそぐわないのです。


一方、2つ目のタイプである「オンライン商談」を前提としたbellFace、Mee2box、オントークといったツールは、ゲスト側はWebサイト上で発行される接続番号をホストに伝えるだけで接続できます。これならインストールは必要ないため、新規のお客様でもストレスなく商談に応じてもらいやすいというわけです。


これだけ書くと「じゃあオンライン商談用のツールでいいじゃん」という感じがしますが、オンライン商談向けのツールは例外なく有償です。現在はコロナ対応で期間限定の無償提供を行なっているツールもありますが、基本的には費用が発生します。


対してWeb会議ツールの多くは、無償プランが用意されています。無償で使えるならもちろんその方がコスト的に嬉しいと思います。


例えばインバウンドでのリードが大半という場合、無償のWeb会議ツールでも問題なく対応できる可能性が高いです。


もともと自社のサービスに興味があり、Webサイトを閲覧してくれて資料請求をしてきた、というような見込客であれば、資料請求へのサンクスメール(お礼メール)で「より詳しいサービス紹介をオンラインでさせてください。ツールはZoomを使用いたしますので、よろしければ事前にこちらよりインストールをお願いいたします」と書いて、インストールページのURLを貼っておけばスムーズでしょう。


このように、リードの種類によって選ぶべきツールが異なってくるため、まず現状の獲得リードがインバウンドなのかアウトバウンドなのか、確認しておくことが重要になってくるわけです。


環境準備(2)Wi-fiやイヤホンなどのアイテム準備


当たり前ですが、オンライン商談にはPCとインターネット環境が不可欠です。


PCはどの企業でも支給されていると思いますが、従業員が在宅ワークになっている場合、インターネット環境は従業員任せになっていることが少なくありません。


会社としてオンライン商談を積極的に推進していくのなら、ポケットWi-fiの貸与や通信費の支給も検討したほうが良いでしょう。


ちなみにオンライン商談時の接続によるパケット使用量はざっくり1時間で200MB(メガバイト)ほど。1日5商談で1GB(ギガバイト)と考えると、それなりの通信量になるため、会社が負担してくれると従業員も嬉しいと思います。


イヤホンについては、PCに繋ぐケースと、スマートフォンなどの携帯電話に繋ぐケースがあります。Web会議向けのツールはほとんどが音声もPCマイクで拾う仕様になっていますが、一部のオンライン商談向けツールは「音声は電話」という仕様です。


細かい話ですが、スマートフォンの機種によってはイヤホンジャックの形状が従来の端子と異なっていたり、そもそもイヤホンジャック非搭載だったりするので注意が必要です。


厳密にはイヤホンがなくてもPCや電話での通話は可能なのですが、声が聞き取りづらかったり、在宅ワークであれば家族にまでお客様の声が聞こえてしまったりするので、イヤホンがあったほうが快適に商談できると思います。


環境準備(3)営業資料の整備


オンラインで行なうとはいえ「商談」には変わりないので、提案用の資料はやはり必要です。


というより、オンライン商談では対面と違いお客様はずっとPC画面を眺めることになるため、「飽きさせない」ための資料づくりが決定的に重要になります。要は「オンライン商談に最適化した資料」を作り込む必要があるわけです。


といっても、どんな情報をどのような構成で見せるのがベストかは、実際にオンラインで商談をしてみないとわからないというのが正直なところです。そのため、事前にあまりに作り込むのもムダが大きいといえます。


かといって、営業資料を準備していないと、せっかくツールを導入しても投影する資料がなく営業担当者も使いようがありません。ツール導入後すぐに資料をアップロードできるよう、最低限の資料は用意しておきましょう。これまで訪問営業で使っていた資料でももちろんOKです。そういった資料がないか、営業現場に確認しておくことをおすすめします。


ここでの注意点としては、会社案内の冊子(パンフレット)やチラシをそのままPDFで取り込んでオンライン商談用の資料として使ってしまうことです。これは避けたほうが良いと思います。オンライン商談は基本的にPC画面での資料投影が前提のため、文字が小さかったり映りが不鮮明だとお客様の集中度が下がってしまいます。


パンフレット・チラシしかない場合には、要点を絞って、パワーポイントやKeynoteに落とし込んでおきましょう。形だけ整えておけば、ツール導入後に社内でのロールプレイングを通じて「こんな情報も入れよう」「提案のストーリー(構成)をこう変えよう」といった具体的な改善アイデアも出やすくなります。


環境準備が終わったらツールを選定


オンライン商談を取り入れるための最低限の環境準備は以上です。


ポイントは「スピード重視」で進めること。事前準備に時間をかけすぎるのは好ましくありません。例えば資料の作り込みを準備段階でやりすぎると面倒に感じてしまい、いつまで経ってもツール導入が進まなくなってしまう可能性があります。


事前準備はスピーディーに済ませ、ツールの選定へ進み、早めに現場の営業担当者がツールを触れる状態に持っていくようにしましょう。


長くなってしまったので、今日はここまでになります。


次回はオンライン商談のためのツール準備について書いていきたいと思います。

 
 

プロフィール

株式会社FooLaiBo
代表取締役 三浦隼

新卒入社の金融大手にて営業マネジメントを経験。チーム実績において前年比130%超を達成、全社MVP。
戦略策定、施策の企画推進、現場営業および教育プログラム構築を担当。

のち、コンサルティング会社や出版社を経て、B2Bインサイドセールス専門のベンチャー企業にカスタマーサクセスコンサルタントとして参加。
当時国内ではほとんど前例のなかったカスタマーサクセス職のチーム立ち上げ、および顧客企業へのインサイド/フィールドセールスの強化支援を担当。
のべ250社のご支援、300名以上の営業ロールプレイングを行う。

その後、別のベンチャー企業で新規開拓営業の立ち上げ、マーケティング・オートメーション(MA)企業でのカスタマーサクセスチーム立ち上げを歴任し、株式会社FooLaiBoを創業。

HP:株式会社FooLaiBo

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