終活のススメ

第8回

家族ケアがみとりのポイント

清水 宏明 2012年11月7日
 

終活関連のセミナーではみとりについてもテーマになる

 高齢化により、治療・療養の期間も長期化しています。病院での入院期間は制限されている場合が多く、長期の入院は難しくなっています。今年4月に施行された介護保険法の改正により、自宅での療養が推奨されるようになりました。これにより自宅療養を支援する制度・サービスの充実も図られています。

 自宅での療養は家族の負担が増えることも考えられますが、本人にとって住み慣れたご自宅で過ごすことは、自分らしい生活を送るという意味では大切なことかもしれません。介護を苦にした痛ましい事件が起こることもありますが、社会全体でサポートしていかなければいけない問題です。

 自宅での療養が増えるということは、そのまま自宅でみとるケースも増えることになります。自宅でみとる場合は、診断書を発行していただける往診医を事前からお願いする必要があります。診断書の発行ができない場合は警察への連絡が必要になる場合がありますので注意が必要です。

 また、自宅だけでなく、介護施設をついのすみかとし、そのまま最期を迎える方も増えています。前回、介護についてお話しするにあたって、施設についても事前に検討しておくことも必要とお伝えしました。介護施設に入居されている方は、ご自宅を引き払い住民票も施設に移していらっしゃる方も多くいます。その場合は死後、お戻りになれるご自宅がないわけですから、葬儀社や火葬場などの安置施設を利用する場合が多いようです。

 以前であれば、当然のことであった自宅でのみとりが減少したことで「死」を身近に感じることが少なくなったといわれています。「死」を知ることで、現在の「いのち」の大切さを学ぶことができるわけですから、そういう意味では自宅等でのみとりは子供や孫など家族や関係者に対する教育的な側面もあると思います。

 「みとり」のポイントは、医師との連携による身体的症状のコントロール、家族・医師・看護師・介護者そして本人との意思疎通を図るコミュニケーション、みとりをリードする責任者になる家族のケアといえます。

2012年11月7日「フジサンケイビジネスアイ」掲載


 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。


HP:株式会社神奈川こすもす

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