終活のススメ

第6回

「おひとり様」は事前準備

清水 宏明 2012年10月24日
 

 前回は高齢者の身元保証・成年後見についてご説明しました。これらのことが特に必要になるのは、いわゆる「おひとり様」といわれる方です。終活が社会環境の変化によって必要とされるようになったことは以前お話しましたが、今までなかったという点においては、この「おひとり様」問題が一番顕著だと思います。

 「おひとり様」の定義はさまざまですが、「配偶者・子供が居らず、一人で生計を立てている方」と言えるでしょう。別に住む親族はいらっしゃるにしても、日常生活は一人で営んでいるわけですから、もしもの時の備えも、自分自身で考えておく必要があります。社会問題として注目される「孤独死」は、貧困などの別の問題をはらんでいる場合が多いわけですが、どれだけ金銭的に裕福な場合でも、あらかじめ準備をしていないと同じ状況に陥りやすいとも言えます。

 では具体的にどのような備えをしておくべきでしょうか。基本的には、一般的に必要とされる要項と変わりはありません。しかし、死後のことを託す人を決めた上で、あらかじめ自分の考えを説明しておかなければならない、という点においては、特に注意を払わなくてはならないでしょう。自分の人生の終焉(しゅうえん)に関する考えを相手に伝え、意見のすりあわせをすることが必要となります。

 しかし、現代社会においては、必ずしも親族にその役目をお願いできるとは限りません。そこで注目されているのが「身元保証・成年後見」になるわけです。死後事務委任契約を結ぶことで、葬儀・納骨・事務手続き・遺品整理など、死後必要となるさまざまな手続きを託すことができます。契約の範囲は選ぶことができますから、自分に必要な手続きが何か考えてみるとよいでしょう。

 葬儀の現場においても、死後事務委任などを請け負う団体から直接葬儀の依頼を受けることが増えてきました。「おひとり様」の不安を抱えている方が、不安を解消し、生き生きと生活するためには、事前に契約を結ぶなど、しっかり準備して終活に取り組むことが大切です。

2012年10月24日「フジサンケイビジネスアイ」掲載

 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。

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