終活のススメ

第5回

高齢者の身元保証・成年後見

 


終活フェアイベントで相談する高齢者

 「終活」の取り組みの中で、相続や財産分与について残される人が困らないようにするために行う法的に有効な手段が遺言です。それでは「終活」の取り組みの中で自分自身のために行えることにはどのようなことがあるでしょうか。現在の核家族化・少子化など社会構造が変化する中で家族・親族に頼れないという高齢者も多くなっています。そこで注目されているのが「身元保証」と「成年後見」です。

 「身元保証」とは、住居の賃貸、介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、高齢者介護施設などへの入居の際には「身元保証人」が必要となるわけですが、「身寄りがない」「家族はいるが頼めない」といった場合には、保証人の問題が入居の大きな障害となる場合があります。家族・親族に頼れないという高齢者のために、民間企業や一般社団法人、NPO法人などが身元保証を引き受けるサービスを行っています。

 また、認知症など、生活全般に関する自分自身の判断が困難になったとき社会生活を支援する人を家庭裁判所で定めて、普通の生活を送れるように支援する「成年後見」制度を利用する方が増えています。「成年後見」制度には大きく分けると「法定後見」と「任意後見」の2種類があります。

 「法定後見」は、本人の判断能力が不十分になった場合に家庭裁判所の審判により後見人が決定されて開始されます。一方「任意後見」は、本人の判断能力が十分なうちに将来の後見人候補をあらかじめ選出して契約しておくものです。

 現在は「市民後見人」の養成講座が開かれるなど、「後見人」として活躍できる人材を増やす試みがされていますが、現状では弁護士・司法書士・行政書士などの士業の方がなることが多いようです。成年後見の契約は死後は適用されませんので併せて、死後事務委任契約、金銭管理契約など必要な法的措置を総合的に検討するとより良いと思います。

 「長生きリスク」とよばれる多くの問題は法的な措置で防ぐことができます。早めの準備で不安や悩みを少しでも軽減して、生き生きと生活することが大切です。

 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。


HP:株式会社神奈川こすもす

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