終活のススメ

第3回

遺言書は「家族へのラブレター」

 


顧客と事前相談をする神奈川こすもすのスタッフ

 終活としての取り組みに関して具体的な行動を考えようとすると「遺言書」の作成を最初に思い浮かべる方が多いのではないかと思います。

 遺言は、死後の法律関係を定めるための最終意思の表示ですから、遺言書を作成することで財産などの相続をスムーズに行うことが可能になります。実際に相続税を支払っている方の割合は日本国民全体のわずか5%未満といわれていますので多くの方は自分には必要ないと思われがちですが、実は相続に関して争う裁判の実に約3割が、財産総額1000万円以下のケースとなっています。

 遺産承継の遺言は、原則として、法定相続に優先しますからちょっとしたことでも遺言したいことがあれば遺言書を残しておく方がよいと思います。また口頭やテープに録音したものは効力がありません。遺言書には自筆証書遺言書・公正証書遺言書・秘密証書遺言書の3種類あり、それぞれの形式にメリット・デメリットがありますが、家庭裁判所による検認を行わずに開封し、内容を確認できることを考えると公正証書遺言書で作成することをお勧めします。

 また葬儀の事前相談の中で、葬儀や事後の供養に関する内容を遺言書に書くことができるか尋ねられることが多いのですが、遺言書は記載した事項全てについて法的効力が認められるわけではありません。民法などによって定められた一定の事項に限って法的効力が生じます。葬儀や供養の方法については遺言書に記載しても法的効力が生じません。

 従って必ずその内容が守られるとは限りませんが、記載自体が禁止されているわけではありませんので、遺言書に記載しておくことで、遺言書を読んだ相続人の方が本人の意思を知ることが可能になり、尊重してもらえる可能性は高くなるのではないでしょうか。

 また法的な拘束力がない事項に関しては、「エンディングノート」を活用するという方法もあります。

 「相続」が「争族」にならないように「家族へのラブレター」として遺言書を作成することは終活の大切な取り組みといえます。

 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。


HP:株式会社神奈川こすもす

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