終活のススメ

第2回

社会の変化から考える必要性

 

 「人生の終わりのための活動」=「終活」を行う方が増えています。以前であれば敬遠される風潮さえあったのに対し、なぜ今「終活」がクローズアップされているのでしょうか。

 この十数年で、日本の社会は大きく変化しました。総人口に対して65歳以上の割合が21%以上となり、WHOが定義する超高齢社会に突入しています。この「高齢化」により潜在的にエンディングに関する不安を感じる人が増えているということは明白です。

 また「不況」と「社会構造の変化」も「終活」人口の増加に影響を与えています。

 世界経済の影響、非正規雇用の増加など、日本経済を取り巻く環境は暗く、日々の生活を営むのに精いっぱいで、エンディングに関する費用の捻出に不安を感じる世帯が増加しています。また、少子化・核家族化により考え方も大きく変化しています。エンディングを支える社会の最小単位が地域共同体から「家」そして「個」に変わっていったのです。

 つまり人間関係の希薄化による地域コミュニティーの崩壊が、本来、コミュニティーを通して入ってきた情報を得ることができない環境をつくったのです。その中で、情報技術の向上、つまりインターネットなどの利用により、生活者が自ら情報収集するようになりました。

 これまで分かりにくかったエンディングに関する知識を得ることができるようになりましたが、その結果として、パーソナライズされた需要は価値観の多様化につながり、より複雑なものとなり生活者個々の能力では必要な判断を行うことが困難となりました。そのためより良い判断を行うために、より専門性の高い知識と経験のある専門家のサポートが必要となったわけです。このサポートを行う取り組みが「終活」といえます。

 しかし、これまでは葬儀は葬儀社、相続は弁護士など、それぞれは専門特化しており、生活者にとって、エンディングにおいて連続的に関連している事項にもかかわらず、専門家間の連携が希薄でした。

 この「終活」という取り組みは、社会の変化が生んだ、エンディングに関する新しいフレームワークであり、生活者が必要とする全ての項目が包括的に、そしてワンストップで取り組める仕組みが求められています。

 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。


HP:株式会社神奈川こすもす

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