終活のススメ

第14回

「社葬」とは(中)

清水 宏明 2012年12月19日
 

社葬は社内外への企業メッセージとしても重要

 社葬を営むことは、故人の会社への貢献をたたえ、それに報いるという側面もありますが、それ以外にも多くのメリットがあります。

 第一に、社内外に後継者を明確にすることで、事業継承をしっかりと行うことができるということです。故人の功績・志を受け継ぐとともに、今後の企業運営の方針を示すことで、社内においては結束を新たにし、社外に向けては信頼性が保たれることをアピールすることができます。

 第二に、広報活動にもなるということです。社葬ともなると、故人の功績を表する展示などをすることが多いわけですが、故人の功績はそのまま会社の功績につながることも多く、故人の歩みとともに会社の歩みも分かり、弔問に訪れた会葬者にアピールすることができるでしょう。

 第三に、福利厚生費として経費に計上できることです。通常社葬に必要とされる項目については、損金として参入することが税制上認められています。式場使用料や祭壇費用などの運営にかかわる費用や食事代、会葬御礼などの接待費など、大部分が認められています。経費に計上できないものとして大きなものに、香典返しの費用などがあり、これらは本来遺族が負担すべきものですが、これを弔慰金や寄付金として会社が負担する場合もあります。

 また、社葬を行うことは遺族の側にもメリットがあります。まず、密葬と本葬に分けることで、弔問の対応がスムーズになり、それぞれの葬儀をしめやかに行うことができるということです。それに付属して、遺族が知らない仕事上での知人にも参列してもらいやすくなるため、遺族が営む個人葬だけでは分からなかった故人の功績を知ることもできます。また、費用負担の大部分を会社が請け負うことができるため、仏壇やお墓など、供養へ費用を充てやすくなります。

 社葬を執り行う際には、遺族の感情に配慮しながら綿密な打ち合わせをする必要があります。会社にとっても遺族にとってもより良い社葬となるように、お互いに要望を提案しながら打ち合わせを行いましょう。

2012年12月19日「フジサンケイビジネスアイ」掲載

 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。


HP:株式会社神奈川こすもす

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