終活のススメ

第12回

第二、第三の人生設計

清水 宏明 2012年12月5日
 

 これまで終活についてお話をしてきました。葬儀や供養だけでなく、相続、財産分与や遺言書の作成など残される方に対しての取り組み、また終末期医療に対する考えや、介護に関する希望、年金・保険の見直しなどエンディングに向けた本人のための取り組みまで、さまざまなことが「人生の終わりのための活動」として必要なことはお分かりいただけたかと思います。

 2012年のユーキャン新語・流行語大賞の候補語に「終活」が選ばれました。また、内閣府発表の高齢者白書によると、高齢化率は23.3%まで上昇し、65歳以上の方が所属する世帯は総世帯数の4割を超え、その半数以上は単身もしくは夫婦のみの世帯です。つまり社会そのものが終活を必要とする環境に変化しているということです。

 その中で、文部科学省も「超高齢社会における生涯学習の在り方に関する検討会」の資料の中で「死の実感が、生活、意識、医療、教育など社会のさまざまな面で抜け落ちており、また、「死」と向き合う経験が減少しているために、実際に接したときの対応に苦慮している人が少なくない。こうした社会背景から、人生の終わり方(締めくくり方)に関する学びへの注目が集まっている。

 「死」と向き合うことで、生きる意味を見いだし、今、生きているこの一瞬を大切にすることができる。また、人生の締めくくり方についても、自分で選択することが可能な時代である。

 このため、第二、第三の人生設計を行う上で、「個人の自立のための学び」とともに、「人生の締めくくり方のための学び」も必要であるとして、まさに生涯学習として終活に取り組む必要性をうたっています。

 つまり終活はエンディングに向けた取り組みですが、第二、第三の人生の設計ともいえるわけです。人によって状況が違うので終活における必要な行動は異なりますが、生前に葬儀や供養を考えることが風変わりなこととして終活が注目を浴びるのではなく、より豊かな老後を送るための人生設計として終活に取り組むことで「老い」に対して不安を感じることのない社会環境を醸成することが終活の本当の目的ではないでしょうか。

2012年12月5日「フジサンケイビジネスアイ」掲載

 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。

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