終活のススメ

第10回

供養も多様化 自分らしい選択を

清水 宏明 2012年11月21日
 

終活フェアでの墓関連のブース

 従来の供養ではお墓は家ごとの単位で建てられ、そのお墓を受け継ぐ人が跡取りになるという考え方が主流でした。社会環境の変化により、少子高齢化、価値観の多様化が進み供養も慣習より個人の状況に対応できるものが求められています。より良い選択ができない場合、「無縁仏」という管理する方のいないお墓の増加につながり社会問題にもなっています。

 家単位での供養が難しい場合、一人一人に対応した埋葬方法が必要となります。現在では「納骨堂」「合祀(ごうし)墓」などを利用する方が増えています。納骨堂は骨つぼごとに納骨し、合祀墓は骨つぼからお骨を取り出し他の方と一緒に納骨します。また、墓碑を立てず樹木を墓碑の代わりとする「樹木葬」も新しい葬送として注目されています。

 お墓の形状は内容によって異なりますが、本質的な問題は墓の管理と継承です。誰が守り、誰が祈るのか。誰が管理費を払い、誰が継承するのかを決めることが必要です。またお骨の行き先を決める手段として「散骨」も注目されています。「散骨」は粉末状にしたお骨を自然に還す葬送方法です。現在「散骨」に関して定める法令は無く、過去の判例に基づいて「違法ではない」という状態です。陸地での散骨はトラブルが発生しやすいため、海洋での散骨が大半を占めています。

 供養方法の多様化が最も顕著に現れているのが「手元供養」です。遺骨をお墓だけでなく、手元に置いてお守りする供養の形です。全ての遺骨を祭る場合と、お骨の一部を残す場合があります。専用のペンダントなどに少量のお骨を納めて常に身に着けたり、小さな骨つぼに納めてお部屋でお守りしたり、遺骨自体をオブジェのように加工するものもあります。大切な方を身近に感じたいという要望が増えているようです。

 価値観の変化により供養も多様化していますが、より自分らしい選択をするためには準備が必要です。葬儀と供養はエンディングの最終場面として密接に関係しますので、終活の取り組みとしては、合わせて考えることでより良いプランニングが可能になります。

2012年11月21日「フジサンケイビジネスアイ」掲載


 
 

プロフィール

神奈川こすもす

清水宏明 しみず・ひろあき 神奈川こすもす代表取締役。厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。横浜市出身。1973年、代々葬儀社を営む家系に生まれる。大学卒業後、2001年、神奈川こすもすを設立し代表取締役に就任。著書に「葬儀のルール」。


HP:株式会社神奈川こすもす

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