自走する組織作りのためのコアコンセプト・マネジメント

第13回

「期限を整える」ことで、考える時間を有効に活かす

岩井 徹朗 2021年2月26日
 

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。


弊社では「考える」にあたって、次の3つの「整える」をいつも意識しています。

・「言葉」を整える

・「期限」を整える

・「場」を整える

今回は、この中で二番目の「期限を整える」について書きます。


お互いに「期限をハッキリさせる」ことで余計なストレスを減らす

「これ明日までに考えておいて」

何気なくこういう指示を出すことがあります。


では、この「明日」というのは、正確にはいつなのでしょうか?


指示を出した方は「明日の朝まで」「明日の始業時間である9時まで」というつもりで、「明日まで」ということがあります。一方、指示を出された側は「明日の昼ぐらいまで」とか「明日の帰社時間である午後4時まで」と解釈していることがあります。


これは考えるということに留まらず、仕事全般に言えることですが、期限をハッキリさせる必要があります。


特に考えるという仕事の場合、必ずしも、成果物として資料を作ったり、文章にしたりするとは限りません。


すると、上司から「昨日考えておいてといったアレ、何かいいアイデアある?」と聞かれた際に、それまでまったく考えていなくても、その場の思いつきで「私はこう考えます」と適当に答えて、お茶を濁す場合があります。この場合、本人が本当に時間をかけて考えたのか、適当に考えただけなのかが分からないことが大半です。


このため、相手に考える際には「明日の10時まで考えて、その結果を教えて」とか、「今から1時間だけ考えて、また打合せしよう」といったように、考える期限をハッキリさせましょう。


下手な考えは「期限を区切る」ことで上手い考えに進化させる

仕事で「考える」ことは大切ですが、考えすぎるのは結果的に行動を制限することにもなります。


考えても分からないことは

・お客さんに聞いてみる

・試作品を作ってみる

・上司や専門家上司に相談してみる

ことで道が開けることがあります。


このため、ダラダラ考えることは避けるのがベター。考えすぎて袋小路に入らないためにも、期限を区切ることを意識しましょう。


少なくとも自分の中で1日考えたら、そのことをアウトプットしていったん吐き出すことが必要です。アウトプットした文字や図を見ることで、新たに気づくこともたくさんあります。

よほど頭の良い人でない限り、頭の中だけで考えて、最初から最後まで考えを一つにまとめるのは至難の業です。


難問は「期限を重ねる」ことで時間を味方につける

自分が意識している情報が自然と目に飛び込んでくることを「カラーバス効果」と言いますが、ずっと一つのことを考えていると、電車に乗っている時や街で歩いていた時に、ふと見かけた広告などから、良いアイデアが浮かぶということがあります。


新しい商品の企画を考えたり、難しい問題を解決する鍵を見つけたりする場合、考える時間はどうしても長くなります。その時、先のカラーバス効果を活用するには、期限を重ねる必要があります。


先ほどの「期限を区切る」と一見矛盾するようですが、区切った「期限を重ねる」ことで、画期的な商品や競争力のあるサービスが生まれることもあるのです。


特に難易度の高い課題は思ってもみない所に解決の突破口があります。そして、それを見つけるには時間を味方につけて、「期限を重ねる」ことが求められます。


考えている時間は他人からは分かりにくいので、ちょっとした配慮を

以前働いていた職場で、いつも目を瞑って腕を組んでいる人がいました。一見すると、居眠りしているようにも見えるのですが、その人はずっと考える仕事をされていたのです。


パソコンに向かっていると、仮にネットサーフィンしていても、仕事をしているように見えます。一方、考えるという仕事の場合、時には手が止まり、動きも止まっているので、仕事をしているのか、単にさぼっているのかがよく分からないことがあります。


このため、社内において、もし「考える仕事」を指示した場合には、その期間は社員の行動をよりしっかりと見極めることが大切です。


せっかく、頭をひねって真剣に考えているのに、「おい、さぼらずにちゃんとやれ!」みたいに叱ったりすると、相手は委縮してしまい、怒られないように「(考えずに)仕事をしているフリをしよう」となってしまっては元も子もありません。


考えているのか、さぼっているのかがよく分からない時は、期限の途中でも「どう、何か良い考え浮かんだ?」のようにやさしく言葉をかけることがお薦めです。


 
 

ヒーズ株式会社
代表取締役 岩井徹朗


都市銀行に14年半在籍し、創業期のインターネット専業銀行とベンチャー企業の勤務を経て、2006年7月に独立。


「経営者が自然体で力を発揮するためのレールを敷く」ことをミッションとして、オーナー企業を中心に、業務改善、社内体制の構築や新規事業の創出に日々取り組んでいる。


最近はマーケティングのコーチである取締役と一緒に、「社長専任」の社外チームを組成。社長の本質的な価値観に沿った事業展開をマーケティングからマネジメントまでカバーし、洋々たる未来を一人ひとりが切り開いていく世界を実現するべく活動している。


HP:ヒーズ株式会社

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