人生を明るくするキャリア戦略

第3回

自らを制するものは、明るいキャリアビジョンを制す?

渋谷 喜之 2019年8月19日
 

明るいキャリアビジョンを実現するために重要なこと、それは


「目標を明確にすること」である。


 ということについて前回のコラムでお話ししました。3%の成功者に入るために、是非皆さんも「自分らしい目標」を考えていただきたいと思います。
今回はもう一つの大切なことである


「現在地の把握」


の大切さについて触れていきたいと思います。 


偏差値で明確にわかった目標との差分


高校や大学受験では、「自分の現在地」と「ゴール=目標」がどれくらい離れているのかを明確にしてくれる便利なものがありました。 


「偏差値」です。


 「現在の偏差値が50で、目標とする偏差値60の大学に入学するためには点数が〇〇点不足している」と、現在地と目標の差分が明確にわかりました。この差分が分かることで、どの教科をどのように勉強し、何点UPさせることで志望校に合格できる、と努力するための計画が立てられたのです。 

今振り返ると、勉強自体はとても大変でしたが、何をどうすれば良いか、という「課題特定」を自動でしてもらえる状態だったので、とても楽チンだったと思うことがあります。


社会に出ると失うもの


 一方、大学を卒業し、社会人として人生の海に飛び出ると、途端に目標との差分を図る「定規」を失います。目標を立てることも難しいのですが、現在の自分の状態を正確に把握することも難しくなります。 

第一回のコラム「こんな時代だからこそキャリアを戦略的に描く必要性がある」で触れたように、主観によって現在の自分自身の評価が歪んでしまうからです。必要以上に過小評価したり、若いうちに大活躍すると自分自身を過大評価してしまうことがあります。(自分もありました)

ですが、現在地を正確に把握しない状態で、目標に到達するための計画を立てられるでしょうか? 答えは「NO」です。  

例えば、数学が95点で国語が40点の状態で合計で+30点にしたい時に、数学を努力している様な状態になりかねませんし、実際にその状態になってしまっている方をよく見かけます。 これではどんなに頑張っても+5点の伸び代しか期待できません。


現在地を把握するための具体的な方法は


では、具体的に「現在地を把握」するためにはどの様にすれば良いのでしょうか? 

これからご紹介する「4+1の方法」を使い、「現在地=自分自身の強みや弱みなどの定性面と、年収等やスキルなどの定量面」の把握を行ってみてください。


 ⓪(+1)マインドセット(準備運動) 

具体的な手法に入る前に最も大切なことが「事実に対して一喜一憂しない」と“決意”することです。 人間は真理構造上「安全安心な状態」で、変化が少ない状態にあることを望みます。(でも、居続けると変化を求める厄介な性質もあるのですが・・・) 現状を把握するということは、「快適な状態」を脅かす状態を自ら作り出すことに繋がる可能性があります。 

ですが、明るいキャリアビジョンの実現に向け、自分自身を客観視するために、見えてくる事実に対して一喜一憂せず、「客観的に把握できることで、理想の未来につながっている」とポジティブに考える様に心がけてみてください。 


私自身も客観視は非常に辛い作業で、「経営者に向いてないな」と思う特性をいくつも持っている事実を突き付けられました。ですが、真摯に受け止め、だからこそどうすべきか?を本気で考えることで、次のステップにつなげることができ、人間的な成長もできたのだと解釈しています。 


①上から見る

自分が目標とする状態に既にいる方の話を聞くことで、その方の視点になって現在の自分の状態がわかりやすくなり、差分を明確にすることができます。 


◆年収1,000万円を目指している→それ以上に稼ぎ続けている方に聞く

◆独立を目指している→独立して成功している方に聞く


というように、実際にお会いして話しを聞くだけで、ぐっと現在地の把握がし易くなります。 また、既に目標を達成している方の本を読むことでも疑似体験が可能です。 


②横から見る

家族や仲の良い友人、また信頼できる上司などから見た自分を聞いてみることで、客観的な自分の強みや弱み、今の状態が把握できます。 聞き辛い様であれば、外部のプロのコーチングの先生などにお願いするのも有効です。 


③内側から見る

自己診断ツールやテストなどを利用することもオススメです。 統計分析要素の強いものを選ぶことで、一般的に〇〇な性質、ということが把握し易くなります。 


④外側と比較する

最後に外との比較です。これは「数字」を利用してみましょう。 例えば日本の平均年収を皆さんはご存知でしょうか?東京の平均年収は?男性と女性ではどうですか? 年収一つとってもこれだけ色々な数字があります。 


「年収が低いから上げたいんです」 


と色々な方からよくご相談を受けますが、個々で状況は様々です。 


◆業界構造上どうしようもない→ 業界を変えるしかない 

◆会社構造上どうしようもない→ 同業界で会社を変えると上がりやすい 

◆実は充分にもらっている→ エージェント目線で私から見ると、スキルや経験に対してもらいすぎの状態

 

上記のどの状態にいるかによってアドバイスが変化します。因みに、いずれもちょっと調べればわかる情報です。主観的に年収が多い少ないではなく、客観的にどうなのかを把握することが重要です。年収以外にも同じことが言えますので、外の数字情報との比較、特に平均的な値を把握し、照らしあわせることで見えてくるものが多くあります。 


まず自己を知れ(松下幸之助) 

敵を知り、己を知れば百戦危うからず(孫氏)

 汝自身を知れ(古代ギリシア格言)  


偉人や歴史が重要視しているように、自分自身を知る人は、自分自身という資産を最大限に使いこなすことができます。 

この機会に客観的な自分自身の「現在地の把握(自己分析も含む)」を是非やってみてください。 

 
 

プロフィール

Lifortune株式会社
代表取締役 渋谷 喜之


東北大学農学部、同大学院で微生物学を研究した後、アサヒ飲料株式会社に技術系総合職として入社。その後、地元仙台にある個人経営塾にて、同塾初めてとなる複数店舗展開の運営および学習指導を経験した後、自身の可能性に挑戦するために創業間もない人材ベンチャーに飛び込む。


社員数5名から30名になるまでの成長に寄与し、ベストパフォーマンス賞など数々の賞を受賞しながら、業界未経験入社からは異例のスピードとなる、入社5年目に取締役COO兼事業本部長に就任。営業統括を行いつつ、管理本部の仕組み作りなどを実施し、同社の7年間平均成長率150%に貢献した。


自身の過去の経験から案出した、企業の成長・採用支援および、個人のキャリア戦略サポートの手法を提供するために、2019年3月にLiforttune(リフォーチュン)株式会社を設立し、代表取締役に就任。


趣味は美食、温泉巡りで動物が好き。人生において、自らの頭で考え、自らの手で作り出す「実体験」を一番大切にしており、一人でも多くの方が自分自身の「可能性を実体験」してもらえるよう、日々活動を行っている。


HP:Lifortune株式会社

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