テクノロジーは人類を救う?

第4回

チャットボットのキャラクター性とエンゲージメント(ファン育成)

太田 匠吾 2018年10月15日
 

日本の文化の一つにアイドル文化があります。実はこの文化、ヨーロッパの方では存在しません。ヨーロッパではアイドルという存在が希薄なのです。

ですが日本では度々繰り返されるアイドルブーム。なぜアイドルは人を惹きつけ、熱狂させるのでしょうか?

ザイオンス効果

「好感度は接触回数に依存する」という説があります。

はじめて会った人に特別な感情を抱いていなくても、何回も顔を合わせるうちに自然と親近感を覚える、といった経験は誰しもあるものです。人はよく目にするものや聞くものに好感を覚えやすい傾向にあります。

テレビのCMなどもこのザイオンス効果を使用しており、マーケティングとしてもよく使用されますね。

企業と顧客を繋ぐチャットボット

店内を見渡せば、あふれ返る物、物、物。

多くの物であふれる現在では、生産者と顧客が深く関わることはほとんどありません。どんな人が作り、どんな人が使用しているのか、互いに知る機会を得ることは困難です。

それでは企業と顧客の距離は縮まりにくく、なにか問題が起きた際に顧客はあっけなく見限る可能性があります。顧客にファンになってもらうことこそ、企業成長には欠かせない要素なのです。

顧客が企業から離れてしまう理由

米国のロックフェラーコーポレーションが行った調査によると、約70%もの人が、「企業が顧客のこと考えていない」という理由で企業離れをしていることがわかりました。

製品やサービスの価格や性能の不満よりも、圧倒的に企業の対応に不満を持っている顧客が多く存在しているのです。

ですが、企業の対応に不満を抱える顧客が多く存在するのならば、それはチャンスでもあります。製品の性能に不満を多く抱えていたなら、競合企業になかなか太刀打ちできません。しかし、企業と顧客とのつながりに不満を抱えているのなら、アプローチする方法は多々あります。

エンゲージメント・マーケティング

これから期待されているのが、顧客とのつながりを重要視したエンゲージメント・マーケティング。インターネットが普及し、気軽に多くの人とコミュニケーションが取れるようになったことで、購買者はその製品が本当にいいものなのか、また、よりいいものは存在しないのか、といったリサーチを行うようになりました。

実際に顧客が製品に触れる前に、その商品を買うかどうかが決められてしまうことが多くなってきたのです。

キャラクター性とエンゲージメント

SNSやインターネットが発達したことにより、「友達のおすすめだから使ってみた」、「好きな芸能人が使っていたから買ってみた」、そんなことが日常的に起こりやすくなっている現在。親しい人からのおすすめは自然と「使ってみよう」という気持ちにさせます。

ですが、企業が多くの顧客一人一人と頻繁にコミュニケーションを取り、手動でアプローチをするのは困難です。テクノロジーを利用し、ある程度自動化することで、顧客とのつながりを維持していくことが可能です。そのためにも、企業の顔となるキャラクターを設定することがこれから重要になってきます。

ひとりのキャラクターとして活躍するチャットボット

AIブームにより、多くの企業でチャットボットが導入されるようになりました。作業を効率化したい、自動化したい、これまでお問い合わせするのが面倒で離れてしまっていた顧客を引き留めたい、といった理由で使用されることが多く、現在広く展開されているのは顧客のお悩みを解決するヘルプデスクのような役割を持ったチャットボットです。

ですが、顧客とのつながりを強固なものにする広報のような役割としても、チャットボットは活躍していく兆しがあります。チャットボットを一人のキャラクターとして確立させることができれば、エンゲージ・マーケティングの手法のひとつとして確立していくでしょう。

 
 

株式会社コンシェルジュ 代表取締役
太田匠吾


東京大学大学院農学生命工学研究科修了。
JPモルガン証券投資銀行本部でM&Aアドバイザリー業務や株式・債券関連の資金調達業務に従事したのち、産業革新機構で企業とのプライベートエクイティ投資やスタートアップ企業へのVC投資を経験。
2016年にコンシェルジュを創業し代表取締役に就任


HP:株式会社コンシェルジュ

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